「蒼い炎が運命を動かす」
- ★★★ Excellent!!!
静かな森の描写がまず強い。
雌鹿の逃走、狩人の矢、崖、古木のきしみ――映像みたいに情景が立ち上がり、そこで放たれる「蒼い炎」が物語の芯として読者の目を覚まさせます。
主人公ジャニは、強い力を持ちながら心は繊細で、恐怖に触れるたびに炎が“盾”として現れる。その生きづらさが丁寧に積まれていて、だからこそ彼女の小さな優しさ(手当て、薬草、暮らしの手つき)が刺さる。
対する王子ダルシャンは高圧的なのに、ただの横暴で終わらず、信仰と権力の匂いをまとった“別の正しさ”を持っていて、会話の火花が気持ちいいです。
「力は呪いか、選ばれた証か」――その問いが1話の時点でちゃんと立ち上がっていて、続きを読みたくなる導入でした。