「音が鳴ったら、伏せろ」

  • ★★★ Excellent!!!

音が鳴った瞬間、伏せなければ死ぬ。
この作品は、その一行で世界を掌握してきます。

トランペット、トロンボーン、演奏音がそのまま兵器になる戦場。
専門用語とテンポの速い指揮描写が、読者を「前線」に連れていく力を持っています。

ラストで示される“血に染まる少女”の存在が、ただの戦記で終わらないことを予感させる。
音で殺し、音で守る世界。その核心に触れる続きを、確かめたくなる導入です。