概要
(1500字程度のあらすじを最後に追加しています)
*カフカとはチェコ語でニシコクマルガラスの意味です。
*ポリアモリー(当事者全員の合意の上で複数人のパートナーと親密な関係をむすぶこと)に関する物語です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!比翼の鳥は二羽でないと飛べないというけれど、私たちは人間だから
別に飛ばなくても暖かい巣があればよいのでは? と思えてしまう、素晴らしい関係が描かれた人間ドラマ作品です。
茶房カフカのある場所が素晴らしいです。海の近くの工場街のはずれにあるんですよ! そこまで行く情景の表現が何とも言い難く好きで、そこは二話目なのですけど、一気に引き込まれました。
カフカはチェコ語で西黒丸ガラスというユーラシア大陸西側に住んでいるカラスなので、日本にはいないようですね。目つきが鋭いのですけど、ちょっとずんぐりしていて、可愛らしい見た目に見えました。
ポリアモリーについて、私はあまりそれは気にならなかったです。とにかく登場人物の心の機微がきらめく文才で繊細に描かれて…続きを読む - ★★★ Excellent!!!硝子細工の関係
匂いに敏感な「コンパル」。その敏感な嗅覚に自らが翻弄され、辿り着いた先は茶房カフカ。その店のマスターであるヤマシロが紅茶とともに纏う香りに強く心惹かれる。
告白した彼は、複数の恋人との関係を持つポリアモリストだった。
土曜日の恋人であるコンパル、金曜日の恋人であるヨシアキ。水曜日の恋人であるトキワ。
彼女と彼らは、性別問わず人を惹きつける魅力を持つヤマシロを中心に、それぞれの感情を抱きながら関わり合っていく。
その関係は硝子細工にも似て、壊れてしまわぬように描かれた丁寧な人間模様である。複雑な心の在り方を描く作者の力量が遺憾なく発揮されている。
紅茶の香りとともに、是非堪能してほしい。 - ★★★ Excellent!!!深い森の中の、鳥の営巣。
とても奥深い、そしてセンスのある素敵な
物語である事を、初めに記しておく。
金春、青磁、蘇芳、常盤、檜皮、山吹…
和の色彩の様な登場人物の名前に、茶房が
舞台である故の、黒スグリやカモミール、
シナモンや胡椒などのスパイスを効かせた
お茶や食べ物。そして森深い異国チェコの
文化をふんだんに散りばめた、見た目にも
美しく魅力的な物語だが…。
この作品の中心には、ポリアモリーという
聞き慣れない考え方が、一つの杭の様に
深く存在している。
一つの恋愛に囚われないという考え方は
我々の今までの 普通 を根底から覆して
混乱と困惑の渦に巻き込むだろう。
だがそれは、誰かと向き合う事への戸惑い…続きを読む - ★★★ Excellent!!!なんでこの人がこんなに好きなんだろう?
ポリアモリー?
わたしは初めて触れる言葉でした。
現代は多様性の時代、多数派だろうが少数派だろうが、等しくありのままを受け入れることが大事な時代になりました。この物語はそんなことの重要性、当たり前であることの大切さ、そんなことを強く訴える作品だと感じました。
この物語の中心にいるのが、そのポリアモリーのヤマシロさん。落ち着いていてセンスのいい雰囲気漂う魅力的な中年男性です。
彼には曜日ごとの恋人がいて、二人は男性、一人は女性です。とくにこの女性のコンパルさんはまだ大学生なのですが、歳も離れた、また一般的な男性とはかなり趣の違うヤマシロさんに惹かれていきます。
このコンパルさん…続きを読む - ★★★ Excellent!!!恋人の恋人は成立するのだろうか?
私たちの心と頭に『ポリアモリー』という性別を超えた特別な関係について投げかけてくる、とても興味深いテーマのひとつを取り上げた希少な小説です。
恋人として一緒に過ごす曜日を限定する――付き合い始めの大切な約束を結ぶところから始まります。
しかし、物語が進むにつれ、お互いに働きかける思慮や独占欲……訪れる出会いと別れとが複雑に作用し合い、読者を飽きさせない工夫が素晴らしいです。
異なる心の在り方の中で芽吹いていく恋と愛。様々な想いと行動とが複雑に絡み合い、ほつれ、結び付きを強くしていくように縒り合っていく。この駆け引きがなんとも言えない魅力に映ることでしょう。
特筆したいのはポリアモリー…続きを読む