婚約者メトロから突然「真実の愛を見つけた」と婚約破棄された女神アリスタ。
しかも相手は上司の娘。どうやら出世のために長年付き合ってきたアリスタを捨てたらしい――そう知った彼女は、元婚約者を地獄に叩き落とすため復讐を開始します。
そこで出会ったのが、同じくクレアに捨てられたクリント。
最初は「天界の大うつけ」としか思っていなかったクリントが、実は頭が切れ、仲間思いで、人の話を聞くのがうまい人物だと分かっていく展開が面白いです。
二人で元恋人たちの不正を暴き、見事に追い詰めていく復讐劇も爽快。
そして気づけば、「復讐のために組んだ相棒」が「かけがえのないパートナー」になっている。
婚約破棄から始まる物語なのに、最後には「この人と出会うためだったのか」と思えるような、アリスタとクリントの関係が印象に残ります。
特に、ただの遊び人だと思っていたクリントが実は――という後半の真相には、前半とのギャップもあって引き込まれました。
婚約破棄された女神アリスタの語り口が、この作品の最大の武器だ。「ルルル〜」と鼻歌を歌いながらデートに向かい、「真実の愛を見つけた」と告げられて絶望し、「ムキー!」と怒り、「ふふふ、絶対に許さないんだから」と復讐を誓うこのテンポとアリスタの感情の落差が、読んでいてとにかく楽しい。
設定の工夫も効いている。単純な婚約破棄ものではなく、同じ相手(クレア)に捨てられた男神クリントというもう一人の被害者を登場させ、「フラれた者同士」で共闘する構造にしたことで、復讐劇に意外な温かみが生まれている。クリントが「天界の大うつけもの」として噂されているのに、話を聞くとちゃんとした人物だったというギャップも、前編の読み終わりで「あれ、この人いい人かも」とアリスタが感じる瞬間と重なって、自然に続きを読ませる。
「カリフォルニアロールに変えた人みたいな」という既存レビューの比喩が言い得て妙で、王道の素材を使いながら、食べ方を変えることで新しい味を出している。完結済み2話・1万3千字。読後の爽快感が保証されている一作だ。
ある意味で、ある女神の失恋から始まる『ざまぁ』もののテンプレから物語は始まります。
ただ、この作品の面白いところは、同じような境遇の“もう一人の男神”が登場するところでしょう。
そして興味深いのが、フラれた2人の相手が、これまたそっくりな性格の持ち主であるということ。
逆に、フラれた側の2人――女神と男神の方には、最初はお互いに忌避感があるところでしょうか。
そんな2人が、徐々に距離を縮めていき、ある目的を共有するようになります。
その様子がとても痛快です。
さらに、そんな『ざまぁ』劇を一緒に計画し、実行していくうちに、2人の間に・・・(≧▽≦)
そしてその裏には、単なる『ざまぁ』では終わらない『真の目的』が隠されていて、物語に深みを与えています。
痛快で、笑えて、最後は心が温かくなる。
そんな作品を求めている読者に、ぜひおすすめしたい一作です!