「『お疲れ様刑事』を題材に執筆しよう」という自主企画に向けて執筆されたという本作。お題に寄せて即席で書かれたとは思えない凄まじいクオリティーでした。
刑事がAIロボット犬「K9-Assist」と行動を共にすることが当たり前となった世界。主人公の若槻慶次もロボット犬に「わん公」と名付け、可愛がっていました。
わん公は若槻に向かって頻繁に「お疲れ様、慶次」と呼び掛けます。何度も「慶次じゃなくて若槻と呼べ」と命じているにも関わらず、言うことを聞かないわん公。
若槻は修理に出すも、どこも壊れていないという。そんなこんななので若槻はいつの間にか「お疲れ様刑事」とあだ名されるようになってしまった――。
冒頭から続く若槻とわん公のほのぼの展開。どこがホラーなんだ、という感じで物語は着々と進行します。
そして迎える最終段。物語の全貌が姿を現します。普段はミステリばかりしか読まないのでホラーには詳しくないのですが、そんな僕でも本作がエグすぎることぐらいは分かります。
ストーリー展開の高低差に酔いしれたい方は是非お読みください。ただし心して掛かること!
捜査記録恒久保存法という法律によって、全ての刑事がAIを搭載したロボットの犬「K9-Assist」を相棒にしないといけない、そんな未来の世界の話。
主人公の若槻慶次は非番の日、わん公と親しみを込めて呼んでいるK9-Assistと散歩していました。
苗字で呼べと言っているのに、自分を名前で呼んでくるわん公と楽しく会話をしているとき、彼は本庄裕貴という男と遭遇しました。
本庄は十五年前、些細な喧嘩の果てに同級生を殺した男で、若槻が逮捕したらしい。
本庄がここに現れたのは偶然なのか、そうでないとしたら、何のために……?
真相はあなたの目でお確かめください。
今回はなんか平和で夢のある話だなあっと思って読んでいたのですが、後半で、まあ、うん……この作者だもんねって感じです(笑)
個人的にはこういう作品大好きです。
わたしの持論。
レビューコメントでネタバレは言語道断。
しかし、
敬愛するカヌレ様のレビュコメ。
うん。
この作者様なら、許される。
いや、きっと、スタンダードなのだろう。
わたしはハピエン主義者。
以前に、バッドエンドの短編を書き、後に、ヒ〜ッとなりました😵💫💫
居ても立ってもいられず、
その短編を含めた、オムニバス中編を書き、バッドエンドとなった登場人物をギリハピエンくらいに軌道修正した経緯があります👀✏️
このお作品を読んで、
心の中で、何かが折れました💦
ポキっと💦
小さい時見た映画。
『ロボコップ』くらいの衝撃です。
鋏池穏美様。
わたしは、作者様を
『心の藤枝梅安』
そう呼ばせていただきます🙂↕️
……な、なんというものを読まされてしまったんだ!!!
読み終えたあと、読者はきっと衝撃を受けること間違いなし。そんな「凄まじさ」を与えてくる作品でした。
主人公の「慶次」の職業は刑事。最近の世の中ではAIが発達し、刑事はみんなロボット犬を連れて歩くことを義務付けられている。
「わん公」と名付けたロボット犬と歩くが、ロボット犬はいつも彼を「慶次」と呼び捨てにし、「お疲れ様、慶次」と告げてくる。そのせいで「お疲れ様刑事」というあだ名をつけられることに。
お! 今回はなんか平和な感じだな! 藤子・F・不二夫的なほのぼの感のある作品に仕上げたんだな。ジャンルはホラーになってるけど、その辺はスルー!
……とか思って読み進め、そしてラストを迎えることに。
まあ、藤子先生だって色々書いてるからね、と。「ドラえもん」とか「パーマン」とかもあるけれど、「ヒョンヒョロ」とか「ミノタウロスの皿」とかも書いてたもんなあ、ということなんかも思い出させられました。
ブラック! 黒よりも更に濃い「DARKER THAN BLACK」とでも呼びたくなるようなブラック具合。
苦み、慟哭、絶望感。ホラーとしての「味」の一つをしっかりと味わえる、強烈な余韻を残すホラー作品でした。