この甘く危うい年下イケメン皇子に心を揺さぶられない女がいるとでも?

危険な男を書かせたら右に出る者はいない。そんな作者さまが今回描くのは、10歳も年下の甘い男。
多くを望まず、凪いだ日々を甘受する貴妃・淑華。彼女の前に突如として現れたのが、流刑地から戻ってきた皇子・威龍です。
この若く美しい皇子が、何かと淑華に絡んで甘えてくるのだから、もう大変ですよ。

正直、私だったら一瞬で陥落していますね。とにかくヤバい男です。
どこまでが天然でどこからが計算なのか。
愛されて当然みたいな振る舞いをしながら、時々瞳の奥に深い悲しみを覗かせるのは反則でしょう。
彼は帝の息子。間違っても、この後宮で何らかの関係になるわけにはいかないのです。

諦観と達観をまとい、内に秘めた渇望に気づかぬふりをしながら賢く柔軟に物事を選び取る淑華が、どこか危うくて魅力的。
男女の機微を的確に描き出す、洒落た会話や磨き抜かれた描写が、物語を彩ります。

威龍が流刑に処される原因となった18年前の事件をめぐり、淑華、威龍、そして帝の三者のバランスは変化していきます。
水面下の力関係、交錯する愛憎、蔓延る権謀術数。
全ての謎が詳らかにされる時、後宮で何が起きるのか。
ラストまで一瞬たりとも見逃せません。おすすめです!

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