概要
「僕の中ではまだまだ、彼はあの家で生きている。確かに生きているんだよ」
九十九海の通うK大学で、法学部の教官、深沢陸人准教授の教え子が、相次いで殺害された。2つ目の現場に居合わせた九十九海の友人、森川扇人は、図らずも事件の重要人物になってしまう。事件に共通するのは、被害者が秘密を話そうとしたという事。複雑に交差する想いと捻じれた愛情は、3度目の殺意の牙を剥くのか?
青春の終わりを彩る海と森、絶望と焦燥。
九十九海の推理が際立つ、凄烈なOシリーズ第一作目。
青春の終わりを彩る海と森、絶望と焦燥。
九十九海の推理が際立つ、凄烈なOシリーズ第一作目。
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!「記憶と風景が交差する、“静かな光”の物語
タイトルからして詩的でありながら、読み終えた後にはその言葉が決して抽象ではなかったことに気づかされる。海、そして森。それぞれが抱える“静けさ”と“ざわめき”が、本作の核となる感情と密接に結びついている。
ページをめくるごとに、潮の香りや草木の揺れる音、灯台の微かな明かりまでを感じることになる。
灯台の明かり、夕暮れに染まる水平線、林間をこぼれる木漏れ日……いずれもただの風景描写にとどまらず、登場人物の心象に緻密にリンクしている。筆致は抑制が効いており、だからこそ読者は“感情の地層”を静かに掘り下げることができる。
ページを開いてすぐに分かる通り密度の濃い作品です。