見事にやられてしまいました。そして、面白い仕掛けです。
第一話で、「PVを増やすための作戦」を思いついたという話が出てきます。
そして第二話で、恭太郎という富豪が殺害されるまでの経緯が描かれます。
果たして、トリックや犯人は一体?
次が解決編となるのですが、そこでサクッと「ある事実」が示されることに?
そこへ来て、もう思わず頬が緩みました。「ああ、なるほど!」と今まで見えていた世界が一変。そしてしっかりと「犯人」や「証拠」や「トリック」が判明していきます。
これ、書くの相当大変だったんじゃないかな、とも思います。というか「大変」なんて言葉で括ったら申し訳ないくらいに神経をすり減らすような行為だったんじゃないか。
そして最後に「え、そこの部分まで細工をしてたのか!?」とニヤリとさせられました。
この途方もない作業をやってのけた作者さんにはひたすら敬意を表したいです。
作者さんが苦労した分、仕掛けが見えた時の楽しさがとても大きい。杉井光「この世でいちばん透きとおった物語」や、藤崎翔「逆転美人」、泡坂妻夫「しあわせの書」なんかが好きな人は絶対に読むべき。
これぞミステリーの楽しさだ! と全力でオススメしたい一作です。