概要
『縫いとめて、この傷口を』
自傷癖を持つ男子高校生・葛城操はある日、愛読していた幻想小説家・神城塔一と知遇を得る。いつしかふたりは「虚弱体質」ゆえの寂寥と矜持とを、通わせていく。やがてそれらは、他の「病める魂」をも救う事になる。世紀末の片隅に咲く、ただひとつの「愛」を描く耽美長編。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!耽美派老年愛スマホ小説
とても面白かったです。少年愛をテーマにした70年代少女漫画や小説に近い読み味がありますが、本作では少年と老人の性愛が描かれています。
私は異性愛者で、25歳から33歳くらいまでの方がストライクゾーンなので、深い部分での性的なフェティシズムには共鳴できていないのかもしれません。それでも魅了される普遍性のある作品だと思います。昔ながらの洋食屋でのデート。私もよく妄想します。神城塔一というキャラクターも、異性愛者の私から見ても魅力的に思えます。そして、彼の経歴設定や、そどみあ譚などの設定のリアリティ。そのリアリティに対しての、神城塔一という現代的なネーミングの面白さ。お恥ずかしながら、初読時…続きを読む