主人公とヒロインの距離感が魅力の、異能ノワールアクション

アウトサイダーと呼ばれる特殊な種族（？）を中心に据えた、一瞬のノワール小説とでも言えば良いのでしょうか。タッチとしてはサスペンス風の異能バトルアクションです。第一部まで読みました。

かなり血腥い展開もするのですが、意外にも軽く読むことができます。圭介とリンの距離感の描写が、ほどよい緩衝材になっているように思えました。友情とも違うし、現状では恋愛とも違うような、不思議な関係。この二人の雰囲気が、この作品の空気感を形作っているように思います。

序盤からかなり謎めいた展開で、そういう物語は、読んでいて訳が分からなくなって付き合いきれなくなることもあるのですが、そういう訳で、圭介とリンを追いかけ、彼らの特殊能力の活用法に感心しているうちに、第一部が終わった、という感じです。

文章と登場人物の性格づけが上手く噛み合っており、それが全体としての良い読み心地を生んでいるように思いました。