本文で登場するのは先になりますが「徨(さまよ)う花」は三人のパーティ名。世界を渡った「放浪者」であること、そして主人公たちの名前に「花」が共通するところからの命名です。実は『指輪物語』の著者J.R.R.トールキン教授のエルフ語「ロス（花）ランディア（放浪者）」から発想しました。
三人の馴れ初めは『指輪物語』。三人とも読書好きの聡明な美少年・美少女で、いずれ本文で触れますが、図書室で『終わらざりし物語』を読んでいた橘花くんに、百桃が決死の思いで声を掛けたところから始まっています。「徨」を使ったのも、漢字の成り立ちの意味を踏まえています。
参考にしたりオマージュしたりした原典は、原則として明記いたします。伏せ字にしたり「腕輪物語」のような表記にしたりするのは、却って失礼と思いますので。拙原稿をお読みくださり、原典を手に取っていただける方がお一人でも増えれば…というのも執筆の大きな動機でございます。
J.R.R.トールキン『指輪物語』同『終わらざりし物語』