今回は、古い記録箱に張りついていた「旧式承認返納紙」について少し補足します。期限切れで、署名もない黄ばんだ紙。廃棄の赤字まであると、読む前に捨てたくなる見た目ですね。
作中では、この紙は昔の立会印の残留権限を保持しています。対応する承認痕と照合して、その承認だけを未承認へ戻せますが、責任記録や押印履歴、反対を棄却した履歴は消しません。承認を取り消すことと、承認した事実を消すことが、きちんと分かれている道具です。
紙の名前にある「返納」も、その働きに重ねて読んでいただけると思います。乾いた糊が粉になって落ちるような一枚に、まだ返せるものと、消してはいけないものが残っていました。
『底辺鑑定士の俺、誰も気づかない“ゴミ”の真価が視えるので、深』はこちらから読めます。
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