※R18投稿可能なサイトじゃないと続けるの無理じゃないかなこれ
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そのあと、ブランシュは僕を部屋に案内してくれた。
「本日はこちらでお休みください」
「……ここ、って」
向こうで僕が使っていたよりも広くて、清潔な部屋。
白いシーツの敷かれたベッド、背表紙が一つも読めない本棚、整理整頓された机、シンプルだけどどこかお洒落なクローゼット。
物は少ないけど、なんだか女の子らしさを感じる。
それになんだかいい匂いがするんだけど。
「わたしが使っている部屋です。手狭ではありますが、ご容赦いただけますと……」
「え、いや、あの」
僕はわたわたと手を振った。
「空いてる部屋がないなら毛布だけでももらえれば、どこか物置とかで」
「いえ。ルカさまのお世話をさせていただくにあたって、こちらが最適と考えた結果です」
「お、お世話って」
下腹部の淫紋──もとい、絶頂禁止の聖紋が透けて見えるくらい薄い衣を着た、銀髪の美少女。
こんな子と一緒の部屋、同じベッドで寝る、しかも「お世話」されるなんて、えっちなことを考えずにはいられない。
ごく、と、唾を飲み込みながらブランシュの身体をつい見つめていると。
はあ……っ。
吐き出された息に一瞬、びくっとした。
僕がちょっとでも他の女の人を目で追ったりすると、家族からゴミを見るみたいな目で見られたのを思い出す。
だけど、ブランシュはうっとりと頬を染めて、目を潤ませていて。
「どのようなことでもお命じくださいませ。わたしのすべては、ルカさまのものでございます」
「っ」
それはまあ、そういうことを想像して頼みを受け入れたんだけど。
さすがにこんなにすぐ、ぜんぶできてしまうなんて思ってなかった。
もっと段階を踏まされると思っていたし、ブランシュにだって心の準備があると思ったんだけど。
一歩。
少女が踏み込んでくるのに合わせてつい後ずさってしまう。
するとブランシュもさらに進んできて、それを繰り返すうちにベッドのすぐ前まで追い詰められて。
ぐい、と、近づかれた拍子に押し倒されてしまう。
「────」
宝石のような翠色の目が、ものすごく近くにある。
ピンク色の唇がゆっくりと動いて、
「ああ、なんだか夢のようです」
「夢……?」
「はい。ようやく殿方とこうして、向き合うことが許されたのですから……っ」
部屋全体からブランシュの匂いを感じる。
「ぶ、ブランシュ?」
「ルカさま。どうか遠慮なさらず。……あなたさまがずっと我慢してきたように、わたしも、この日をずっと待ちわびていたのですから……っ」
ああ、そうか、と、僕はようやく気づいた。
これは、今までえっちなことを禁止されてきた僕へのご褒美っていう『だけ』じゃない。
我慢させられて、焦らされて、もう我慢の限界だったのはブランシュも同じなんだ。
というか。
──なにされてもいいからえっちなことをしたい、とか思って、男を押し倒してしまうブランシュのほうが限界ぎりぎりっぽい。
心なしか息も荒くなってきたし、吐息も熱っぽい。
どうしよう。
解放されたアレが、えっちすぎるシチュエーションにどんどん反応してしまう。
「ルカさまは、どのような行為がお好みですか……?」
「どんな、って」
「恋人同士のように抱き合って? 暴漢のように荒々しく? それとも……従順な従者のごとくご奉仕いたしましょうか……?」
ひとつひとつの光景が頭の中に浮かび上がって、おかしくなりそうになる。
「あの、ブランシュは、それでいいの?」
少女はにっこりと微笑んだ。
「もちろんです。こうして運命の方に身を捧げるのが、わたしの夢だったのですから」
「~~~~っ」
「さあ、ルカさま? 最後まで、してくださっても良いのですよ? ……絶頂だけは決して、できませんけれど」
逆に言うと、イかなければなにをしても、どれだけしてもいい。
こんなの。
なにもせずに済ませるほうがおかしいじゃないか。
はあ、と。
息を吐いた僕は、まるで吸い寄せられるみたいに右手を伸ばした。
ブランシュの首に、それから、綺麗な銀髪にそっと触れると。
ブランシュの指も同じように伸びて、服の上から、敏感なところをそっと撫でた。
「ルカさま」
「ブランシュ……っ」
唇が軽く触れあって、信じられないくらい柔らかな感触に頭がいっぱいになる。
女の子と、それもこんな可愛い子と、キス。
しかも『今回は』邪魔してくる家族はいない。
ゆっくりと、ブランシュの衣に手をかけた。
「脱がせて、くださいますか……?」
「……うん」
すべすべの衣を丁寧に、ブランシュの肌から離していく。
少女は軽く身体を動かしたり、僕の手を指で導いたりして脱がせ方を教えてくれた。
そうして、するりと離れた衣がベッドの下に滑り落ちていくと。
生でみたことがないくらい白くてすべすべの肌が目の前に広がった。
こうすると、隠れているのは下着に覆われた部分くらいで。
下腹部の聖紋がすごくえっちなのに、この身体に誰も触れたことがないと思うと──。
「ブランシュ」
「はい、ルカさま」
僕は、血を吐くような思いで告げた。
「今日は、お互いに触るだけにしたいんだ」
「……どうして、ですか?」
どこか不満そうな問いかけに、罪悪感さえ覚えながら。
「こんな簡単に最後までしちゃったら、絶対おかしくなる……っ!」
したいかしたくないかで言ったら、したいに決まってる。
今すぐブランシュのぜんぶに触れて、絶対誰にも奪われないようにしてしまいたい。
一つになりたい。
溶けるように、一緒に気持ちよさを味わいたい。
だけど。
「ブランシュみたいな可愛い子とそんなことして、でも絶対にイけないなんて、狂うに決まってる……!」
今まではどうせ触れないから、で、諦めがついていた。
あの貞操帯は「我慢させる」という意味ではすごく機能的だったんだ。
だけど今は、いくらでも気持ちよくなれるのに絶対にイけない。
身体はブランシュの匂いだけで限界寸前になってるのに。
「だから、せめて、少しずつ慣らさせてくれないかな……っ」
泣きそうになりながらそう言うと、少女は、くすりと笑った。
「かしこまりました。……そういうことでしたら、ルカさまに従います」
「ブランシュ……。ありが」
「でしたらせめて、心ゆくまでわたしに触れてくださいませ」
「あっ」
ぎりぎりのところでとどまっていたブランシュの身体が下りてきた。
下着一枚しかつけていない身体が僕に密着して、抱きしめるように柔らかさと体温を伝えてきて。
……その、清楚な雰囲気なのに、十分すぎるくらい大きい。
華奢な雰囲気なのに、肉の質自体が違うのかすごく気持ちいい。
そんなのが思いっきり押し付けられて、下半身が触れ合って、足まで絡められたら。
心臓がうるさい。
僕の下腹部にもブランシュと同じ聖紋がなかったら、たぶんもう、限界を超えていたと思う。
「少し狭いですけれど、寝台の心地はいいはずですので……」
耳元で囁かれながら、僕は「これ絶対眠れないよ」と心の中で思った。