秋の香草

不治の病に侵された男の元へ市女笠の行商人が訪れる。彼が薬と称して売りに来たのは、人魚の肉だった。

フランス領ギアナの首都カイエンヌ。熱帯雨林の湿った空気と生命のざわめきの中で暮らす17歳の少女マリーは、遠い日本のドラマで見た宝石のような「いくら丼」に、ひそかな憧れを抱いていた…

人間は信用できないと、男はお手伝いロボットを注文した。 やってきたロボットは手際良く全てをこなし、男を満足させたのだが‥‥。

柴田　恭太朗さんの自主企画に参加いたしました。 【三題噺#100】お題：「宝」「話」「記念」 期限切れですが【三題噺 #99】お題：「雨」「口」「理由」も入っています。 フラン…

ぼくがはじめてその部屋を見たとき、ぼくらは十五歳だったけれど、ぶちねこは月と六ペンスやデミアンを読み、悪や美について考えることもあった。

JR武蔵野線には幽霊線が走っている――― そんなうわさを聞き付けた和子は、 放課後、主人公の凌を呼び出してその検証に向かう。 果たして二人は幽霊線に出会うことができるのか。 …

掌編集です。懐かしさを感じていただけたら嬉しいです。

空は今日も、何かを降らせている―― 白い山を目指して歩く少年のもとに、空からは次々と降り注ぐ。 それでも少年は、思い出す。 ※表紙イラストは以下の近況ノートをご覧ください。 （…

いわゆる「社畜」として生きる若手会社員の話です。 直接的な残酷描写はありませんが、社畜特有の鬱鬱とした気持ちが描かれているのでご注意ください。

近未来、人類は画期的な「時間圧縮装置」によって街全体の物流や交通を飛躍的に高速化していた。しかし、その微妙な誤差を補正するには“時踏み職人”と呼ばれるわずかな人々の足先の感覚が欠…

零れ落ちたその光景は、今も宇宙の何処かを旅しているのかもしれない。

【カクヨムweb小説短編賞2023 短編特別賞】 世界と世界の狭間にあるこの宿場には、多種多様な者がやって来る。 宿屋を営む私はある日、背中に巨大な卵を背負った青年と出会う。…

僕は心の雨にただただ、洗い流されていた。 周りの人たちみんなが汚した心は、いつまでもいつまでも綺麗にはならない。 心の雨と、志の雨。 君がいてくれるだけで、僕は幸せだ。

（※倫理観がやばくてとても残酷です） とあるステージ・ショーでの一幕。 珍しく短編同士で繋がりがあります。 関連エピソードは以下です。 最期の晩餐 - カクヨム https:…

僕たちは愛玩用人類だ。身寄りのない老人が買う商品だ。 だがそれで終わっていいほど、デチューンされているわけじゃない── これは商品用奴隷の少年少女が施設から脱出する短編作品です…

超高層ビル233階。そこでは「ハピネス」と呼ばれる高揚食品とARシステムによって、人々の感情が完璧に管理されていた。支配者層「骨」と労働者層「塵」。その厳格な階級社会で、一人の会…

角川武蔵野文学賞応募中の短編。 漫画家になりたい―― 漫画家になるために就職活動せず、大学院に進学した住吉遥香。 仕事をしたり、恋したり、武蔵野を彷徨う拗らせ女子の青春物語

第六回こむら川小説大賞参加作品です これが私の逆境だ ※就職活動中の方の閲覧を推奨しません ※メンタルが健やかな状態での閲覧を推奨します

競争社会を生き抜いてきた男の心が崩れた、そののちに訪れたもの。

時間の流れる速さが資源化された世界。 そこでは都市ごとに過ぎゆく時間の早さが異なる。 圧倒的な資源量をもって世界最速の都市に君臨した東京都によって、日本は管理社会を敷かれてい…