My Bests(僕の好きな長編小説)の「カラマーゾフの兄弟」を漸く書き終えることができた。前回の近況ノートから結局20日も掛かってしまったのは、それこそドストエフスキーの持つ「ロシアの大地の春の雪解け」の泥濘に足をとられたまま書き進めた所為であろう。これを脱稿するために他の文章をほぼ擲ったのは、もしそちらに気を移せば永遠に書き終えることができないようなそんな気がしたからである。(誰が困るわけでもなかろうが)
他にも書きたいことは山々あるのだけど、暫くは落ち着いて色々と考える時間を持とうかと思っている。どんどんと世の中の情勢は悪くなりつつあり、日本でも変わらない。
まあ、とりあえず懸念しているのは今回の総裁選。候補者より応援する人間の方がだんだんと過激で愚かになっているのが最近の特徴で、「自分の考えていること以外は全て拒否」するタイプの人間がわらわらと湧き出ていることは本当に嘆かわしい。彼らはインターネットの世界でその愚劣な主張を執拗に繰り返している。
どう考えてもインターネットは世の中のゴミをかき回す機能を促進しているようだ。おそらくその解決は匿名性を消すしかない、というのが僕の持論であり、そこらへんについてもう少し考えていきたい。今の世の中は「異常な人間」を「匿名に隠れたマイノリティ」が推すことで「意見を形成する」という悪い流れができつつある。それは潰さねば社会がおかしくなっていく悪性腫瘍のようなものである。
「カラマーゾフの兄弟」の時代とはまた違った深刻な問題をぼくらは抱えつつあるのである。