• 詩・童話・その他
  • エッセイ・ノンフィクション

【感想のお部屋】 『雨の夜に、少女は魔女になる』 その夜ごとの雨音 〜 第一楽章 〜 “雨音の前奏と、救いの記憶”


※※ はじめに ※※

この小部屋を見つけてくださって、ありがとうございます。
こちらは、わたしがkou様の作品を読ませていただいたときの、感想などを綴っているお部屋です。
今回はこちらの作品です。

『雨の夜に、少女は魔女になる』 kou 様
https://kakuyomu.jp/works/2912051599483890296

※※ 以下、ネタバレを含みます ※※









今回の【感想のお部屋】は、少し趣向を変えまして。

完結後にまとめて振り返るのではなく
・連載の更新を追いながら
・その日、その時、その話を読んだ瞬間にしか感じられなかったこと、
「次の日には忘れてしまうかもしれない」そんな感想を、
小さな「初読メモ」として残してみようと考えました。
その時に書き留めていたメモをもとに、完結後の今、投稿用に少し整えています。
連載中に「初読メモ」として投稿しなかったのは、まだ続いていた物語の先へ、余計な風を送ってしまわないようにと考えていたからです。


とは言いましても。
ただ、その日のわたしの感想を

   わーヽ(´▽`)/   きゃー\(//∇//)\   むぐぐ(^_^;)   

と、書いているだけなので…。
わたしとしては、その時の“読み”が明後日の方向へずれていたり、なんともお恥ずかしいところもあるのですが、それも“初読みの妙”と広い心で受け止めていただけると嬉しいです。
様々、お見苦しい点をご容赦の上、読んでいただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。








◾️ キャッチコピー
一生消えない、恋のシミを付けてあげる

◾️ 紹介文
中学の陸上部のエース倉本恵理は、通り雨によって帰り道を失っているところ、意中の少年・佐京光希に送ってもらうことになる。光希が差し出した一本のビニール傘。それが、恵理の恋慕を狂わせる始まりだった。彼を両親不在の自宅へと誘い込む恵理は、彼を堕とすための「魔女」になることを決意する——。
妖神と人の奇譚。
『ミッドナイト・ブルース』の続編作品になります




⚫︎ 5月11日 記 初読メモより   (キャッチコピー、紹介文)

新作は、倉本恵理さんと佐京光希くんのお話なのですね!

佐京光希くんが差し出したビニール傘って、もしかして…。

おぉ! 『ミッドナイト・ブルース』の続編ではないですか!
やったー(v ´∀`)

    雨音に混じって、二人の楽しげな会話が遠ざかっていく。
   (『ミッドナイト・ブルース』より)

と、取手行彦くんが見つめた、去っていく佐京光希くんと倉本恵理さんのその後、ということですよね??
わーい(*´∇`*) 楽しみです。


わたしの知っている倉本恵理さんという女の子は、“佐京光希くんへ好意を持っている女の子”という大前提の他には

・教育実習生の魔力で校庭10周を何回も走らされちゃったり
・山登りで「振り向くな」と言われたり
・せっかく書いたラブレターなのに届け先を間違えちゃったり。


そんなイメージなので、キャッチコピーの

   「一生消えない、恋のシミを付けてあげる」

が今の段階では、倉本恵理さんの言葉としては、どうもしっくりこない…。
このキャッチコピーって、本当に倉本恵理さんのことを表した言葉、なのかしら…。

それとも? 未読の過去作に、わたしの知らない倉本恵理さんのそんな片鱗があったりするの、かしら?

お話のタイトルからして『雨の夜に、少女は魔女になる』なのだから、このキャッチコピーは、きっと倉本恵理さん側の言葉なの、よね?


…ん? もしかして。
佐京光希くんが見た倉本恵理さんへの言葉だったりするの???


――。いやいやいや、それはない。
もう絶対にない。
佐京光希くんの口から「恋のシミ」なんて言葉が発せられるわけがない。

だってあの、佐京光希くんよ? 
従兄弟に「佐・京・圭」と書いて「ぼく・ねん・じん」というふりがなが、これほど似合う人はいない、あの佐京圭くんと血が繋がってる、佐京家の人間よ?
いやいやいや、ありえません。(佐京家の血への絶対的(?)信頼)

うーん。
倉本恵理さんがどのように“魔女”になっていくのかしら。この時点では全く想像できないです。
『チェックメイトはバニラ味』での、野々宮葵さんのように、かわいい魔女さんになるのでしょうか。
でも「恋慕を狂わせる」って書いてあるしねぇ。まだわかりません。





◾️ 第1話 相合傘の少年少女

通り雨の夜、一本のビニール傘の下で、光希くんと恵理さんが肩の触れそうな距離で歩く。触れそうで触れない、その数センチの中で、光希くんの見返りを求めない優しさと、恵理さんの「もっと近くにいたい」という恋心がそっと重なっていく。そんな第1話。



⚫︎ 5月11日 記 初読メモより  (第1話 相合傘の少年少女)


『ミッドナイト・ブルース』の続きということで。

物語の中の時間軸では、きっと今頃、行彦くんは「ああ、俺の傘がない!」と叫んでいる頃。
同じ雨の降る、同じ夜なのに。

今作では冒頭から、雨の降る夜の情景の描写がとんっっっっっでもなく美しいのです。
行彦くんの“夜の雨”から移行する、静かにフェードインしてきた前奏曲のように、静かに、たしかに、場面転換がされたように感じました。


特に「艶やかに濡れた漆黒のアスファルト」を「巨大なレコード盤」と表現し
「無数の雨粒が、目に見えない銀の針となって路面をなぞり」「形のないメロディを紡ぎ出している」
濡れた路面に反射するオレンジ色の街灯の光に、雨粒が落ちる様を「まるで小さな命を燃やしながら息絶えていく蛍の群れのよう」と表現し
「街灯の琥珀色」という、まるで長い間熟成されたウィスキーのような美しい色も相まって、しっとりとしたジャズピアノの音がどこからか聞こえてきそうです。

ほわぁ…これはすごいです。なんと美しい…。映画のワンシーンみたい。

行彦くんの“爪先立ちの、渋さへの憧れ”ではなく、今作では光希くんの“そのままの”静かな優しさが、そっと浮かび上がってくるように感じました。
行彦くんはハードボイルドを目指し“むせび泣くMiles Davis”でしたが、この場面のBGMには、Bill Evans の 「Peace Piece」などはいかがでしょうか。

   「そ、そうだ。佐京くん、私を家まで送ってくれない? それなら佐京くんも濡れないし」
   (『ミッドナイト・ブルース』より)

一つの傘に一緒に入れてもらう提案をしたのは恵理さんから。
この時の恵理さんは、少しでも光希くんと一緒にいたくて、きっととても勇気を出して言ったんだろうなぁ、と感じまして。
なんて、かわいらしい恋心なのでしょう…と読み進めました。

    彼が差し出したごく普通のビニール傘は、隣に居る少女にとっては何よりも頼もしい盾に見えた。
   (第1話より)


“盾”という表現に、守ってもらっているように感じた恵理さんのかわいらしさが読み取れて(*´艸`*)
うんうん。かわいいね。
こんなにかわいいシーンが続くのに、ふと頭を掠めるタイトルにある「魔女」…。
ここを読んでる限りでは、まだ「魔女」を感じません。
そう、だって第1話は「少年少女」なんだもの。
「もっと近くにいたい」「雨が止まなければいいのに」というかわいい恋心なのだから。



   その透明な円蓋の下で、恵理と光希は肩が触れそうな距離を保ちながら歩いていた。
   (第1話より)

その触れそうで、触れない(触れられない)距離がもどかしくていいんですよね。むずむずします笑
恥ずかしさの薄い膜が存在してるかのような、そんな距離。むふふ(*´艸`*)


   ただ当たり前のように、自分の方は雨に濡れながら、恵理の側へ傘を深く傾けてくれている。
   (第1話より)

ここ。唸りました。
言葉で「優しい」を説明するのではなくて、光希くんの肩が濡れていることで恵理さんが光希くんの「優しさ」に気づく。
  
……。全くもう。
そうなんですよ、光希くんは絶対そうするでしょうよ。
だって、“そういう人”なんだもの。
“そういうところ”が、どれだけ人を惑わせているのか、わかっているの? 君って子は。
春香さんをお姫様抱っこしたり、梨花さんを梨花さんの恋人よりも真剣に助けたり、由貴さんのお父さんまで(広い意味で)助けたり。


でもね。
恵理さんはご存知ないのかもしれないけれど、他のお話たちで佐京光希くん(の無自覚な優しさ)を見てきたわたしは知っていますよ。

恵理さん。
悲しいかな。光希くんは“誰にでもそう”なのよ。
相手が恵理さんじゃなくても、自分の肩を濡らしてまでも相手が濡れないように傘を傾けるはず。
……それがわかっているから。
恵理さんの恋心が、わたしの中では、第1話の段階でもうすでに切ないです。

…それとも?

今回のお話で、わたしの“佐京光希くん像”が崩れる“何か”が起きるのかしら?
これから先が楽しみです。




それと。
「傘(『七夕の雨に』)」「香水」「スニーカー」「メロディ」「蛍」など。
数あるkouさん作品の、まだまだ初心者のわたしですが、過去作のタイトルを彷彿とさせるような言葉が多かったように感じて、嬉しくなりました。



『本日の魔女さんな一文』
     突然の雨は、今、恵理にとっては、世界を二人きりに塗り潰すための、天からの贈り物のように感じられた。
   (第1話より)


   “世界を二人きりに塗り潰すため”

第2話へ続く。







◾️ 第2話 自然のサイクル

恵理さんが光希くんという「沼」に落ちてしまった理由が、古くて静かなものに寄り添う姿や中庭での出来事を通して語られる。恵理さんの掌を包む光希くんの静かな優しさが、焦りで少し浮いていた心をほどき、走ることの本来の輝きを思い出させてくれる。そんな第2話。



⚫︎ 5月12日 記 初読メモより  (第2話 自然のサイクル)

第1話では「なぜ恵理さんが光希くんに惹かれているのか」が現在の相合傘で見えていたけれど、第2話ではその“根”が語られます。
恵理さんが出会い見つめてきた、光希くんへの想いを振り返る回想シーン。

倒れていたところを介抱って、『非モテヒーロー狂騒曲』なのかな…。
未読のどこかのお話なのかもしれない。

   けれどその前から、佐京光希という少年は、彼女の心の特別な場所に住み着いていた。
   (第2話より)

倒れていた恵理さんを介抱してくれた、実はその前から、恵理さんの心の中の“特別な場所”に光希くんは住んでいたのですね。

それが、教室での「壊れた教卓の引き出しを直している」姿や「掃除の時間に、床の傷を気にしている姿」、「壊れたレンガをそっと積み直している姿」。
「誰からも顧みられない古くて静かなものに寄り添」う姿、だというのだから、なんて恵理さんは“見る目”があるのでしょうか。
きっと多くの人は見過ごしてしまうような、そんな優しさの“向き”。
それを恵理さんは“見つけた”んですね。誰かに褒められたいわけでもなく
“そうしたら、引き出しが、床が、レンガが喜ぶだろう”
という「慈しみに満ち」た光希くんの手つき。
恵理さんの目を通して、光希くんの、光希くんな、“佐京光希”くんたる所以を再認識しました。


   (この人は、私を見ていないんだ)
    それが、最初の驚きだった。
   (第2話より)

“私をみていない”ことに気づくって、寂しさや悲しみだったりするのに恵理さんは、陸上部のエースとして期待され、羨望の眼差しを受け、マドンナの彼女の気を引こうとする態度などに日々疲れていたので
(うーん、一日でいいから、そんな疲弊を味わってみたい笑)
恵理さんにとっては「特別扱いされないことが“特別”」だったのですね。
美しく優雅に湖をゆく白鳥の、水面下の努力を誰も知らないし、想像もしないのでしょうね。


一方、光希くんは学校にいる時間でも、どんな時も群れることなく、だからと言って孤立することもなく一人“鍛錬”を続けている。
そんな光希くんに恵理さんが話しかけた時。


   「……あ、倉本さん。ごめん、邪魔したかな。僕は、立ち方の練習をしてたんだ」
   (第2話より)


「え?? 立ち方??!…の練習!??」と、思わず声が出ました。


   「立ち方に練習なんてあるの?」

   「立ってるだけなの……?」

   (第2話より)



……恵理さん、ありがとう。
まさに読み進めながら、わたし自身が光希くんに聞きたかったのよ。その質問。

そして、この言葉。



   「……倉本さんは、今、少し『浮いてる』気がするね」
   恵理はドキリとした。
   期待に応えなきゃ、もっと速く走らなきゃ。その焦りが、自分の足を地につかなくさせていた。彼はそれを、戦う者の鋭い観察眼で見抜いていたのだ。
   (第2話より)

……これは…。
自分が自分のことを一番わかっていなかった、ということを知るって本当にドキリとします。
自分でも感じている違和感なのに、何か掴めていなかったこと。それを明言化して優しく指摘してくれる。

光希くんにはきっと、“そう見えたから”さらっと言っただけなんだと思うのです。
直した、なんて自覚はなくて、波のない静かな水面のように自分を差し出して、恵理さん自身が本来の芯を取り戻せるように、自分を媒体にした。と言いますか。
でも、「『浮いてる』気がする」なんて言われた方としては 
え?なんで? なぜそんなにわかるの?
って驚いてしまう。

この辺りからの、掌を重ねる場面までの恵理さんの内面の焦りがかわいらしかった。

   彼の大きな掌が、すぐそこにある。
   (どうしよう、手汗とか、大丈夫かな……。私の心臓の音、伝わっちゃわないかな)
   (第2話より)


もう、かわいいぞーーーー!(場面は中庭だけど、思わず海に向かって叫びたい)
その後の、「自然の、サイクル」のお話は、読みながら読者も、なるほどと唸りました。
なんだか、すごいんですけど。
とても丁寧に描かれていて、掌を重ねて澱みを流すシーン。とても好きです。

光希くんは、healerでもあるの??
こちらの淀みまで、そっと流してほしくなるような場面でした。




第2話の「波のない静かな水面」という言葉が
『忘れ去られた呪文』での、kouさんからいただいた言葉にあったような

   弥生さんは、航にとっての「逃げられない、でも一番必要な鏡」のような存在

と、すごく近いように感じました。

「水面」と「鏡」
他者に映さないと、実は本当の自分ってわからないものなのかもしれません。
でも、それは他者なら誰でもいいわけでは、ないんですよね。
それこそ、“心の特別な場所に住み着いていた”人に限る。なんだと感じました。

『本日の魔女さんな一文』

    瞬間、恵理の頭の中は真っ白になり、夕暮れの風景は色を失って、ただ光希の掌という名の、狭くて深い世界が、彼女のすべてになった。
   (第2話より)

   “光希の掌という名の、狭くて深い世界が、彼女のすべて”

おまけ・『光希くんの無自覚大魔王な一言』
「……倉本さんの走りには、誰にも真似できない美しい芯がある。それさえ忘れなければ、どこまでも行けるよ。」(その後照れくさそうにするのが、またずるい!)

第3話へ続く。





今回はこの辺りで一旦、レコードから針を上げさせていただきました。




では、また『感想のお部屋』〜 その夜ごとの雨音 第二楽章〜でお会いいたしましょう👋
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。









kou様へ


いつも素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございます。
そして連載完結、おめでとうございます。

連載当初より、「初読メモ」を書き留めていて、早く【感想のお部屋】としてメモをまとめて、投稿したいという思いと、でもそうなると、完結を願っているようで、まだ完結しないでほしいという思いと。
第16話の次回タイトル予告に(最終話)の文字が載るまでは、そんな心持ちで日々を過ごしておりました。
いつもの【感想のお部屋】とは少し違うので、感情が少し賑やかで笑、見当違いの方向へ走ったりしているかもしれません^^;

こうしてメモをもとに、第一楽章としてまとめたものを今読み返してみますと
恵理さん=魔女、にまだ違和感を覚えていたり、相変わらずな光希くんを前にすると、その無自覚さにお小言を言いたくなってますね🤭




「初読メモ」という感想のさざなみがちょこちょこと足元へ何度もやってくると思います。
メモを多く残せなかった日もありますので、分量には少し波があるかと思います。
【感想のお部屋】の長期(?)連載になりそうですが、読んでいただけるだけで大変うれしいので
どうぞコメント等はご無理なさらないでくださいね。

ありがとうございました。


追伸:
は、は、8話もお蔵入りなんですか?! いつか“何かの機会”に出会えますように。
そして。健司さんとナナさんに再びお会いできて嬉しいです!更新、ありがとうございます(´∀`*)

1件のコメント

  •  金時まめ様へ

    『雨の夜に、少女は魔女になる』のご感想を、ありがとうございます。
     企画で書くことが多い私ですが、相笠の帰る恵理と光希がどんな風になったのか自分自身で気になり、企画に関係なく自分の気持の赴くままに書いて見ました。
     大体が、間を置かない一話ずつの掲載になりましたが、その一話掲載ごとに、金時さんは、このような感想メモを残されていたとは、本当に嬉しいです。
     全体を通して、感想とはまた違って、一話ごとの内容なので、とても興味深いです。短期集中ではあったものの、連載作品ということで「初読メモ」にして、あえて完結まで寝かされていた。
     8話のボツはお話させて頂きましたが、書いている途中で、こうしたいな。と思って、書き直したことで、お話が完全に分岐したので、ほんのちょっとしたことで内容が変わるものだと思いました。
     あのまま続けると、少々長くなりすぎて、まとまりが弱くなると思いましたもので。何か別の機会で、再使用してみたいですよ。
     おそらく「初読メモ」を拝読しながら書いていたら、また別の流れや結末になったのは間違いありません。
     なぜなら、ろくにプロットも書かずに、恵理と光希を動かして書いたからです。ノープロットって、本当に怖いですね。
     まさか、非日常が突然訪れたことで、恵理があんな妄想を抱くことなどは、まったく決めてもいませんでしたから。

     倉本恵理の登場作品は、金時さんが足跡を残して下さっているので、私の方も分かっていますが、
    『恋する猫股』
    https://kakuyomu.jp/works/16817330649830827072
    以外は、全てご購読頂いています。
     本来、倉本恵理は『妖神(マガカミ)』という作品における、怪奇現象にことごとく遭遇してしまう運の悪い高校生。というポジションで作ったキャラでしたが、『失恋のラブレター』を書くにあたり、中学時代もあっていいよね。というノリで使い始めて、今に至っています。

    「一生消えない、恋のシミを付けてあげる」

     金時さんの予想どおり、光希から恵理えのアプローチは確かに性格上、ないですね。
     従兄弟の佐京圭の朴念仁ぶりに、思春期の男子らしくない異性への無関心ぶりは、あり得なさ過ぎです。

    『第1話 相合傘の少年少女』
     恵理の恋模様が、物語の始まりなので、情景はそれらしくしてみました。
     小説は文字のみの作品なだけに、人の姿も顔も分からない。
     ある商業小説を手にした時、複数の人数が無作為に話すシーンがあって、誰が誰だか分からないし、ここはどこ? という作品があっただけに、情景はこだわりたい箇所です。
     金時さんのおっしゃる、Bill Evans "Peace Piece"を聞いてみました。静かなピアノの伴奏。なるほど、これは確かに雨の景色に、そして相笠の少年少女の歩く音楽に似合いますね。素敵な音楽を聞かせて頂きました。
     好きな人と一緒に居たい。
     恵理の気持ちと行動を、微笑ましく見守って下さり、作者も嬉しい限りです。
     ええ、《魔女》の片鱗もありませんよね、この時は。

     当初は中学生の恋模様的な位置づけでしたのでしたので、初めてここから読む方にとっても、なぜ恵理が光希のことを好きなのか?
     ということを改めて考えました。
     『恋のスタートライン』で、この二人を書いたのが初めてですが、あの一度だけというのは少し物足らない気がしました。光希は目立たない地味な少年ですが、その心は人を慈しみ虐げられる人を見捨てられない。そんな少年だけに、内面を行動にして、恵理がどこか惹かれていた。
     ということにしてみました。
     
    倒れていたところを介抱は、『恋のスタートライン』とも『非モテヒーロー狂騒曲』とも取れるようにしています。あるいは、『恋のスタートライン』にて恵理がグランドで倒れていたのは、『非モテヒーロー狂騒曲』で起こったことが切っ掛けだったかも。
    そんな曖昧も、私の中であったりします。

    「自然のサイクル」について、お褒めに預かり光栄です。
    哲学というか、悟りの境地とも言うべき箇所なので、私も理解できてはいませんが、こういう感じなのかなというものです。
     光希も、武術を通じて成長をする話はあって、精神的成長しています。
    『ビルの屋上は銀河』
    https://kakuyomu.jp/works/16817330662788328237
     光希本人に、口説こうという意図は一切ないのですが、無自覚なままに恵理を口説いていたのが、金時さんの感想で、より一層分かりました。
     行彦も、こういうことができたらモテているのかな、です。

    【感想のお部屋】とは少し違うので、感情が少し賑やかで。ということですが、筆者として、こんな風に感じてくれたんだ。という感情や気持ちを知ることができて、とても嬉しいですし、楽しいですよ。
    健司とナナは、ようやく初めての料理に行き着きましたが、ナナは思いやるが故に妙な方向に流れて行っています。
    健司が食事をし、就寝して一日が終わるのは、もう少し掛かりそうです。
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する