子どもの頃、食べられなかったり、おいしさが全くわからないのに
成長したら食べられるようになるものってありますよね。
わたしの場合、その中のひとつに「桜餅の葉っぱ」があります。
塩漬けの桜の葉。
桜の香りづけや、桜餅自体の乾燥と雑菌の繁殖を防いだり、桜餅をほんのり塩味にしたり。
調べてみると、いろいろな理由があるみたいです。
小さい頃は、この塩漬けの桜の葉っぱが本当に苦手でした。
桜餅(特に道明寺粉を使った方が好みです)は
薄紅色でツヤツヤでかわいくて、中のあんこは甘くて。
こーんなに美味しいのに、なんでわざわざしょっぱい葉っぱにくるまっているのかと本当に不思議で。
しょっぱい葉っぱから、かわいくて甘い桜餅を引き離そうとして
それは何度も挑戦しました。……が。
幾度の挑戦も虚しく、葉っぱにほとんどの桜餅を持って行かれてしまい。
成功したためしはありませんでした。
少し大きくなって
「さくら味」「桜餅味」などのアイスを食べている時、ふと。
“桜餅の桜餅たる、この風味と美味しさの所以はなんぞや?”
と不思議に思いまして。
早速調べたところ、
桜の葉の塩漬けに含まれる“クマリン”なる成分が桜餅味の核となる。
とのことでした。
“生の桜の葉には、あの香りはほとんどないのに、塩漬けすることで細胞が壊されて、あの甘く芳しい香りが生まれる”
もう、目から鱗でした。
長年苦手としていた、あのしょっぱい葉っぱこそが、大好きな桜餅を桜餅たる桜餅にしていたとは!
それを知った頃にはもう、桜餅から葉っぱを引き離す挑戦の日々からは卒業していたので
クマリンの存在を知って、余計に桜餅が好きになりました。
そんな
今日のおやつは「桜餅」
その肝心の、桜の葉に包まれた桜餅ではありませんが
「桜おはぎ」と称して、中の餡が「桜餡」になっており、餡の中に桜の葉が散りばめられていました。
桜の塩漬けもてっぺんにちょこんと乗っていて、なんともかわいらしい。
いつ食べても美味しい桜餅ですが
今のこの『春』に食べるのは、どんな季節よりも美味しく感じられます。
それにしても。
いつもいつも感心してしまうのは、最初にその食べ方をしてくださった試行錯誤の日々のこと。
「桜の葉を塩漬けして最初にクマリンを引き出すことに成功した方よ、ありがとう。」
と、感謝を心の中で呟きながら。
本日も美味しくいただきました。
