読者の皆様、作者の皆様、ごきげんよう!
『自由のアリア』トップオタ兼作者のカラノニジです!
では、今回は何を語るのか。
危険な魔物を倒す。
命懸けで依頼をこなす。
怪我をしながら素材を持ち帰る。
そんな冒険者たちが最終的に求めるもの。
そう!
お金です!!
世の中、金!!
夢とロマンだけでは宿代も払えませんからね!
というわけで、今回は『自由のアリア』世界における通貨、そして冒険者たちのお財布事情について語っていこうと思います!
この世界における貨幣単位は、
〈ガルド〉です。
Gald。
はい。
Goldのもじりですね!
分かりやすい!!
ちなみに、ガルドア王国が発行したからガルドであるというやんわりした設定も存在します。
(貨幣国でかつ四大国の台所…。ガルドア王国、強すぎるのでは……?)
おっと、四大国それぞれの特色なんかはまた今度!
さて。
大体の価値感覚としては、
1ガルド≒100円〜150円
くらいで設定しています。
かなりざっくりです。
その時の物価、地域、品物の希少性によって当然変動しますが、読者の皆様が本編を読む時は、
「1ガルドはだいたい100円ちょっと」
くらいに考えていただければ大丈夫です。
たとえば、パン一食分が1ガルド程度。
つまり、100円ちょっと。
食事付きの安宿が一泊50ガルド。
5,000円〜7,500円くらい。
まあ、そんなもんでしょうか。
アリアの泊まる〈白羊の夢〉が一泊100ガルド。
飯付き風呂付き、10,000円~15,000円。
…そこそこの宿って感じですね。
凡庸な長剣が1,000ガルド。
10万円〜15万円くらい。
ポーションは効果によって300〜1,000ガルド。
つまり、1万円〜15万円くらい。
高い!!
命を救う薬ですからね。
お安くはありません。
効果を考えれば妥当なのかもしれないですね……。
治療院での治癒費もそれなりかかります。
魔法って便利ですが、やはり財布には優しくないのです。
そう考えると回復魔法が使える冒険者はそれだけで有用ですね。
さて。
ここで本編一章を思い出してみましょう。
アリアちゃんが受けることになった、ブラックロックマウンテンの鉱山予備調査。
報酬は、なんと一万ガルド。
日本円換算すると、およそ100万円から150万円!!
高い!!
一件の依頼で100万円!!
冒険者、夢があるじゃん!!
……と思うでしょう?
ところがどっこい。
そんなに甘くありません。
まず、冒険者の依頼報酬は基本的にパーティで分配されます。
二人なら半分。
四人なら四分の一。
五人なら五分の一。
さらに、そこから装備の維持費、宿代、食費、消耗品代、治療費、情報収集費、移動費などが差し引かれます。
剣は欠けるし、鎧は壊れる。
ポーションは消える。
飯は食う。
宿には泊まる。
ガロードは十人前食べる。
最後の出費が重い!!
実際、ガロードが〈陽の果て亭〉で食べた食費は、十人前相当で112ガルド。
日本円換算で、およそ11,200円〜16,800円くらいです。
一食で。
一人で。
怖いですね。
動く食料庫とはよく言ったものです。
しかもファルメルは辺境の寒冷地。
物流も厳しく、暖房や保存食、防寒具などの需要も高いため、物価はやや高めになりがちです。
つまり、同じ112ガルドでも、首都と辺境では感じ方が違う。
ガロードの胃袋は、辺境経済に対する暴力なのです。
そして、もう一つ。
作中で地味にヤバい金額があります。
パーティ登録費用、3,000ガルド。
日本円換算で、約30万円〜45万円。
高っ!!
冒険者ギルド、アコギなのでは……?
と思われるかもしれません。
実際、安くはありません。
しかし、パーティ登録というのは、単に「仲良しグループ作りました!」という届け出ではないのです。
依頼の共同受注。
報酬分配。
責任所在。
死亡時の処理。
装備・素材の所有権。
ギルド内での信用情報。
そういったものをギルドが管理するための、半ば法人登録のようなものです。
現代で言えば、会社や組合の登録に近いかもしれません。
会社の設立には株式会社で20~25万、合同会社で6〜10万程度必要です。(by Gemini)
(ほぉ~、じゃあ30万って、結構いい線いってますね…テキトーに決めた割には)
げふん…!
3000ガルドは高い。
高いですが、ギルド側からすれば、
「命と金と責任が絡むんだから、軽い気持ちで組むんじゃねぇぞ」
という足切りでもあるわけですね。
世知辛い!!
では、一般的な収入水準はどうなっているのか。
ざっくり言うと、平民の世帯月収はこんな感じです。
貧困層で、月1,500ガルド以下。
一般層で、月3,000ガルド前後。
裕福層で、月3,000ガルド以上。
もちろん地域差や職業差はありますが、一つの目安としてはこんなところです。
つまり、月3,000ガルドあれば、平民としてはそれなりに暮らしていける。
日本円換算なら、月30万円〜45万円程度。
……あれ?
そう考えると、パーティ登録費用3,000ガルドって、一般家庭の月収級ですね。
やっぱり高い!!
では、冒険者はどうなのか。
まず、最下級の〈石等級〉。
生活はかなり苦しいです。
クエスト報酬や魔石売却で、どうにか糊口をしのぐレベル。
装備も貧弱。
怪我をすれば一気に赤字。
宿代を払えず、野宿や共同部屋に流れる者も多い。
夢の冒険者生活?
いいえ、日雇い危険労働者です。
次に〈鉄等級〉。
冒険者には装備維持費や消耗品代があります。
剣を研ぐにも防具を直すにもポーションを買うにも。
移動するにも情報を買うにも金がいる。
そう考えると実質手取りは、一般的な平民と同じか、やや低いくらいです。
そういったランニングコストが重いため、収入があっても自転車操業になりがちです。
次に〈銅等級〉。
ここまで来れば暮らしには困らなくなってきます。
ただし、危険度も上がります。
受ける依頼の難度が上がる。
遠征が増える。
装備を良くしなければ死ぬ。
稼げるようになった分、出ていく金も増えるわけです。
そして〈銀等級〉。
ここから、ようやく中堅として安定した生活が送れるようになります。
信用もつく。
受けられる依頼も増える。
報酬も跳ね上がる。
アリアちゃんが銀等級であることは、かなり大きな社会的信用なのです。
ただし!!
アリアちゃんが裕福かと言われると……。
うん……。
まあ……。
その……。
貯まらないタイプですね!!
作中を見てください。
アリアちゃん、節制節約と言いながら、ちょっと良い宿に泊まるし、ポーションは必要な投資だといって飲みまくってるし、剣は使い潰すし、ちょっと収入ができると周りに奢る。
……あれ?この子、意外と金銭感覚が……?
アリアちゃんの財布、いつも可哀想。
そして〈金等級〉以上。
ここからは依頼報酬も一気に跳ね上がります。
成功すれば裕福な生活も可能です。
ただし、当然ながら危険度も跳ね上がります。
高報酬の依頼には、高報酬でなければ誰も受けない理由がある。
魔物が強い。
場所が危険。
政治的に面倒。
失敗時の損害が大きい。
つまり、冒険者は、
「金持ちになれる職業」
であると同時に、
「金持ちになる前に死ぬ可能性がある職業」
でもあるわけです。
夢がある!!
夢があっても、命の保証はない!!
ちなみに、この世界では〈魔石〉も準通貨として扱われることがあります。
魔物の体内から得られる魔石は、魔道具の燃料や素材として使えるため、価値が比較的安定しています。
そのため、地域によっては金貨や銀貨のように、取引の担保や代替通貨として扱われることもあります。
もちろん、品質や属性、サイズによって価値は変わります。
屑魔石なら小銭。
上質な魔石なら財産。
希少な属性の魔石なら、商人や職人が目の色を変える。
冒険者が魔物を倒す理由は、世界平和のためだけではありません。
魔石が売れるからです。
素材が売れるからです。
飯が食えるからです。
綺麗事では生きていけない!
つまり、この世界の冒険者とは。
高収入のチャンスがある。
社会的信用も得られる。
一攫千金も夢ではない。
けれど、その裏では諸経費が常に財布を削り取っていく。
しかも、失敗すれば赤字どころか命がない。
そんな、非常に世知辛い職業なのです。
この設定を知ってから本編を読み返すと、アリアちゃんが報酬額に食いついたり、ガロードの食費に頭を抱えたり、アネットさんが査定やポイントに必死になっている場面が、少し違って見えてくるかもしれません。
冒険とは、ロマンである。
冒険とは、自由である。
そして冒険とは――。
請求書との戦いである。
それでは皆様、引き続き『自由のアリア』をよろしくお願いいたします!
