読者の皆様、作者の皆様、ごきげんよう!
『自由のアリア』トップオタ兼作者のカラノニジです!
さてさて、今回は久々のアレをやります。
そう、章タイトルの解剖です!
第五回でお送りした『繋がれぬはずの銀の首輪』解剖から、はや十三回ぶり。
待望の(?)第二弾でございます!
皆様、第二章のタイトルを覚えていますでしょうか?
『厄災は空からふるふる聖女の涙』
……何ですかこれ。
自分でつけておいてなんですが、なかなか変なタイトルですね!
というわけで今回は、この第二章タイトルに込められた意味を、作者自らねっとり解説していこうと思います!
嫌な予感がしますね。
例によって「自分で解釈したい派」のアナタは、作者の解答ではなく一意見としてお聞きくださいっ!
では↓↓↓
◇表層:『厄災は空から』
まずは普通に読みましょう。
これは分かりやすいですね。
第二章冒頭、空から降ってきた女。
そう!
親方ァ!空から女の子が!
エステル・リーゼロッテ・エリュクシオン!!
お嬢様!
三連名!
名前が長い!
しかも、ふわりと幻想的に舞い降りてくるのではなく、我らがアリアちゃんに物理的に着弾しました。
災害です。
普通に災害です。
腰、逝きましたからね。
アリアちゃんからすれば、厄介ごとの塊が空から降ってきたようなもの。
つまり、
厄災は空から降ってきた。
はい。
表層の意味は、かなりそのままです。
◇では、次。『ふるふる』
かわいいですね。
ふるふる。
音が柔らかい。
童話的です。
小さな女の子が震えているような、あるいは涙をこぼしているような、どこか幼くて繊細な響きがあります。
思い出してください。
第二章のエステルは、何度か泣いています。
牢屋に怯え。
過去の傷に怯え。
ふるふると震えながら、涙を流す。
顔面強度だけなら、確かに聖女のような美少女です。
黙っていれば。
黙っていれば!!
……ですが。
エステルは聖女ではありません。
では、聖女とはなにか?(ねっとり)
この世界における〈聖女〉とは何か。
皆様。
気になりますね?
気になりますよね?
仕方ありません。
少しだけ説明しましょう。
〈聖女〉とは、エトノーシア法国におけるトップオブトップ。
宗教的な象徴であり、国家の頂点であり、最高戦力。
役目が、役目が多い……。
要は、他国における〈勇者〉と同等の存在です。
……はい、出ました。
勇者。
じゃあ、勇者って何?
ね?
気になりますよね?
気になりますねぇ?
それは、また今度!!
(この近況ノート、こうやって宿題が積み上がっていくシステムになっています)
◇本題:重なる『ふる』
はい、戻りましょう。
『厄災は空からふるふる聖女の涙』
ここで重要になるのが、やはり「ふるふる」です。
ふるふる。
フルフル。
降る降る。
エステルが空から降ってきた。
厄介ごとの塊であるエステルは、アリアにとって厄災そのもの。
そしてエステル自身も、ふるふると震え、ふるふると涙を流す。
降る。
震る。
フル。
いくつもの意味が、このひらがな四文字に重なっています。
……では。
なぜ、ひらがななのでしょうか?
「降る降る」でもいい。
「フルフル」でもいい。
「震る震る」でもいい。
けれど、章タイトルでは『ふるふる』とひらがなにしています。
なぜか。
読み方を固定出来なくするためです。
ひらがなにすることで、「降る」でもあり、「フル」でもあり、「震える音」でもあり、「涙の落ちる音」でもある。
そういう曖昧さを残したかったわけですね!
やはり……天才か
(自画自賛のノルマ達成)
◇深層:もう一つの読み方
はい。
ここまでは分かりやすい話です。
では、もう一つ。
皆様、このタイトルをどう読みましたか?
『空から』
普通はこう読みますよね。
「ソラから」。
空から降る。
空からエステルが降ってきた。
はい。
誰だってそー読む。
おれもそー読む。
で す が。
これ、別の読み方もできます。
『空から』
ソラから。
ではなく。
『カラから』。
空っぽの「空」。
つまり、
EmptyからFull。
カラからフル。
……え?
何が?
厄災が?
はい。
聖女の涙が?
はい。
意味深ですね。
意味深です。
でも、今回はここまでです。
解説すると言ったな。
あれは嘘だ。
いや、嘘ではありません。
表層の解説はしました。
しましたよね?
しました。
けれど、この「カラからフル」の意味については、今はまだ語りません。
だって、まだ早いから!!
言えないことは言えない!!
解説する、するが……その時間と日時までは指定していない云々!
作者の口にもネタバレ防止用のチャックがついているのです。
たぶん。
壊れかけていますけどね!
というわけで、第二章タイトル『厄災は空からふるふる聖女の涙』。
表層では、空から降ってきた厄災ことエステル。
童話的な音感を持つ、ふるふるという響き。
怯え、震え、涙を流す少女。
そして、聖女ではない彼女に重ねられた〈聖女〉という言葉。
けれど、その裏側には、
降る。
震る。
フル。
空。
カラ。
Full。
いくつもの読みが隠れています。
設定を知ってから本編を読み返すと、この章タイトルがただの「エステルが空から落ちてきた話」ではなく、もう少しだけ嫌な湿度を帯びて見えてくるかもしれません。
聖女の涙が、何を満たすのか。
空っぽだったものは、何で満ちるのか。
それは、また~。
それでは皆様、引き続き『自由のアリア』をよろしくお願いいたします!
