読者の皆様、作者の皆様、ごきげんよう!
『自由のアリア』トップオタ兼作者のカラノニジです!
さてさて、今回はファンタジー世界には絶対に欠かせない存在!
そう!
魔物です!!
ゴブリン!
オーク!
グリフォン!
ワイバーン!
そして一章ボスの〈鐵喰い〉くん!!
我らがアリアちゃんたち冒険者が日々シバき回し、素材を剥ぎ取り、魔石を回収し、時には胃痛と借金と装備修理費の原因にもなる、あの魔物たちです。
冒険者稼業とは、つまり魔物を倒して、魔石を拾って、素材を売って、飯を食うお仕事!
……なのですが。
そもそも、この世界における「魔物」とは、一体なんなのでしょうか?
狼っぽければ魔物?
角が生えていれば魔物?
人間を襲えば魔物?
アリアちゃんの胃にダメージを与えれば魔物?
最後の基準だとエステルちゃんも魔物判定になってしまうので却下です。
この世界には、「ただの動物」と「魔物」を判別する明確な基準が存在します。
それは!
体内で生成される『魔石』の存在です。
死んだ時に魔石を残すのが「魔物」。
残さないのが「動物」。
めちゃくちゃ単純ですね!
たとえ見た目が普通の牛だったとしても、死後に魔石がゴロンと残れば、それは魔物。
残らなければ、ただの美味しいウシさんです。
お肉です。
ガロードくんがこちらを見ました。
座ってください。まだ食事の時間ではありません。
実はこれ、ただのフレーバー設定ではありません。
ゲームなどでよくある「モンスターを倒すとアイテムをドロップする」というシステムを、この世界の法則として定義し直したものなんです。
倒したら魔石が落ちる。
牙や爪や甲殻が素材になる。
肉体の大部分は光になって消える。
はい、見覚えありますね?
でも『自由のアリア』では、それを「ファンタジーだから」で済ませず、アニュラス大陸の成り立ちそのものに組み込んでいます。
ここで、第九回の近況ノートを思い出してください。
アニュラス大陸の中心には、世界の呼吸口たる超巨大な大穴――『アビス』が存在します。
そして、この世界の物質は「物理的物質」と「魔法的物質」、つまり〈魔素〉によって構成されている……というお話をしました。
魔物は、この〈魔素〉と切っても切れない関係にあります。
むしろ、魔物とは何かを一言で言うなら。
〈魔素〉によって生物として成立してしまった、世界の歪み。
そんな存在です。
魔物の生まれ方には、いくつかパターンがあります。
大きく分けると、この三つ。
①〈ポップ現象〉
② 魔物同士の交配
③ 動物や植物などが魔素の影響で変異する
順番にいきましょう!
まず、一つ目。
〈ポップ現象〉。
いわゆる『魔素だまり』と呼ばれる、魔素が溜まりやすい場所や地形があります。
谷底。
洞窟。
古い遺跡。
人の手が入りにくい森の奥。
戦場跡。
そうした場所に空間中の魔素が滞留し、高濃度に飽和した時、その魔素が生物の形を取り、世界に生み落とされる。
これが〈ポップ現象〉です。
ゲーム用語の「敵がポップする」「モンスターが湧く」というアレを、そのまま世界法則に組み込んでいます。
高濃度の魔素から、魔物がゼロから自然発生する。
……いや、冷静に考えると怖くないですか?
昨日まで何もいなかった洞窟の奥に、ある日突然、ゴブリンがいる。
人が踏み入らない森の中で、魔素が澱み、獣の形を作る。
廃墟の暗がりで、世界の余りものみたいな魔力が、勝手に命のふりを始める。
ホラーじゃん。
二つ目は、魔物同士の交配。
一度発生した魔物は、その後、普通の生物と同じように繁殖します。
自然発生する上に、普通に増える。
始末に負えない!!
放置すれば増える。
巣を作れば群れる。
環境に適応すれば縄張りを持つ。
そして人里に降りてくれば、畑を荒らし、家畜を襲い、時には人間そのものを食らう。
冒険者ギルドが常に仕事に困らない理由ですね。
ブラックすぎる。
三つ目。
もともとは普通の動物や植物だったものが、強い魔素の影響を受けて変異し、魔物化するパターンです。
ここがまた厄介!
最初はただの狼だった。
ただの熊だった。
ただの植物だった。
ただの鉱山に棲む生物だった。
けれど、濃すぎる魔素を浴び続けた結果、肉体が変質し、体内に魔石を宿し、魔物へと変わってしまう。
突然変異。
環境適応。
あるいは、魔素汚染。
言い方はいろいろできますが…。
つまり、魔物とは。
自然界の生物が世界の〈魔素〉によって変質した存在。
あるいは、高濃度の魔素そのものから〈ポップ現象〉によって自然発生した存在。
そうした、体内に『魔石』という魔法的な臓器を持つ生物の総称なのです!
では、そんな魔物を倒すとどうなるのか。
魔物は死ぬと、魔石や一部の素材を残し、肉体の大部分が〈魔素〉の光の粒子となって霧散します。
よくあるファンタジーの、
「敵を倒したら光になって消えて綺麗〜!」
というアレです。
本編でも、アリアちゃんたちが斬り伏せた魔物は光となって消えています。
戦闘後に舞う光の粒子。
勝利の余韻。
冒険者たちの成果。
魔石を回収して、素材を剥ぎ取って、はい依頼達成!
……でも、ちょっと待ってください。
その光となって霧散した魔素。
どこへ行くと思いますか?
そう!!
アビスに向けて吸い寄せられるんです!!
大陸中を巡る魔素の流れに乗り、光の粒子はアビスへ向かっていく。
その過程で、どこかの『魔素だまり』に滞留すれば、新たな魔物を生み出す〈ポップ現象〉の燃料になる。
あるいは、アビスによって濾過され、純魔素として噴き上げられ、再び世界に循環していく。
つまりです。
冒険者が命がけで魔物を倒しても、魔物を生み出す魔素の総量そのものが変わらない以上、それは「魔物を世界から減らした」ことにはならないのです!
倒せば倒すほど、魔素は世界に還る。
世界に還った魔素は、またどこかで澱む。
澱んだ魔素は、また魔物を生む。
生まれた魔物は、人を襲う。
人は冒険者に依頼する。
冒険者は魔物を倒す。
魔素はまた世界に還る。
はい、完成しました。
魔物無限リサイクル地獄です。
よく出来てる!!(自画自賛)
エコですね。
嫌すぎるエコ。
最悪の循環型社会。
世知辛い!!
目の前の魔物を倒しても、その光は消えていない。
ただ、次のどこかへ流れていっただけ。
アリアちゃんたちが斬った魔物の残滓が、いつか別の土地で、別の魔物を生むかもしれない。
そう考えると、魔物退治って、すごく英雄的で、すごく虚しいんですよね。
それでも。
目の前の誰かを救うためには、倒すしかない。
根絶できないから無意味、ではなく。
根絶できないからこそ、誰かが今日も戦わなければならない。
この設定を知ってから本編の戦闘シーンを読み返すと、魔物を倒した後に舞い散る光の粒子が、ただの『勝利の演出』には見えないかもしれません。
それでは皆様、引き続き『自由のアリア』をよろしくお願いいたします!
※このイラストは生成AIを利用しています。
