「円城塔賞 ボーイミーツガール」を含む小説

　ここは〈鼠の町〉。 　見渡す限り鋼鉄の壁に囲まれた町。 　むわっとした雲。埃に霞んだ黄色い空。 　羽虫や蛾がたかる〈太陽〉は七つある。 　豊富な〈食べ物〉にも溢れていて、飢えを…

　フェール王国の末姫ジリエーザは、生まれつき常に泣いてばかりいる悪癖を揶揄されて、〈泣き虫姫〉と呼ばれていた。 　そんな〈泣き虫姫ジリエーザ〉には、幼き頃より胸に焦げ付いて離れな…

世界から水が消えてから数世紀が経過した。かつての人類は砂を主食とした砂人となった。 冒険活劇が好きなエドは、アンと共に水が湧き出る場所を探し求めて旅立ったが…？

君は地球にいない。 僕がようやく辿り着いた答えはそれだった。 「なるほどね。じゃあ聞くけど、あなたの目の前にいる私は何者？」 僕は彼女の問いに答えられなかった。 いったい彼女は…

お互いの孤独を埋め合うように恋に落ち共依存関係となった栞と蓮。高校卒業後、二人は東京で暮らし始める。大学で友人ができコミュニティが増えた栞は、精神的に健康になり、徐々に蓮の存在を…

軌道戦争後の荒廃した地球。シンガポール沖のメガフロートで暮らす少年レオは、味も希望も失った日々を送っていた。ある日、軌道エレベーターのダクト清掃中に迷い込んだ地下で、彼は「生きて…

　遥か遠い宇宙で起こった キロノヴァ は、この太陽系小惑星帯にも重力波を及ぼした。重力波は小惑星群を地球との接触軌道に乗せ、その一部を接触させた。 　その結果、周回軌道が太陽に…

降ってきた家からものを集めて暮らす人々。そんな中で降ってきた家にはまだ住人がいるという噂が広がる。

【短編・1話完結】 時は超知能完全管理時代。 来たる超知能世界大戦にむけネオ日本が開発した、次世代型超知能搭載人型生体兵器・ＮＯＮＯＫＡ。 そんな彼女が、時代に取り残されたク…

クラスで孤立している高校生、遠山湊は居場所を求めている。 彼は同じく孤高の存在であるクラスメイトの横川渚沙に親近感を覚えるが、彼女は孤独を厭わず、自身の居場所は「海」だという。 …

　少女は恋をしていた。 　その人はとても遠くにいて、自分じゃ届くわけもない様な高嶺の存在。 　自分が手を出すのがおこがましいくらいの相手に恋をする。 　常に、外見だけを見…

放課後、彼女と駅前にあるカフェに集まる。親がうざい、英語の教師がむかつく、クラスメートが鼻につく。あれも嫌い、これも嫌い。そういった世の中への毒を吐きあっているうちに、恋に落ちて…

泥が噴き出る奇病にかかった少女が、ネット上で出会った少年に恋をする話です。

pixiv３分間SSで本当は最終選考に選ばれた作品もあるんですが個人的にこっちがお薦めです。 　最初に僕の幼馴染みである斉藤佑子の父親が交通事故によって死亡したのを知ったのはT…