「「ファンタジー」または「幻想」」を含む小説

魔法使いの奴隷だった69番ことロックは主人に売り飛ばされた移動中、何らかの原因でとある国に放り出されてしまう。 その国は八百万という自然崇拝に加えて、古来よりフィクション問わず物…

荒野に蔓延る死から逃れるために作られた、ねじれた街。 その街で自分自身を失ってしまうと、異形の姿になり果てる。 そんな街へやってきた帽子の〈旅人〉は、記憶を盗んだ犯人を捜しにやっ…

――深い森のなかで〈古の神々〉を崇拝しながら生活する人々は、部族間の紛争を繰り返しながら、〈混沌〉からやってくる怪物に対抗し、人類の生活圏を守るため〈境界の守人〉を組織する。 　…

一人の娘が昔を顧みる。幼いころ、ある女人から渡された、世にも美しい玉のことを。 それは燃ゆる「どこか」を映す玉だった。 紅蓮の光景に魅入られた幼子は、夢中になり、執着し、そして。…

夢もうつつも入り混じった幻想掌編集です。和風・東洋風のお話が多いです。

　　地図から消えた村。 　　そこは、異世界へとつながる“時の裂け目”だった―― 　昭和初期、一人の青年が引き起こした惨劇によって、村は地図から姿を消した。 　村の名は「平坂村」…

人の魂の結晶、瑰玉には超常的な力を発揮することが判明している。 瑰玉にまつわる全てを取り扱う工房、地獄蝶には今日も事件が舞い込んでくるのであった。 誰もが寝静まる夜、地獄蝶の…

「なあ知ってるか、心臓の取り出し方」 三学期最初の朝だった。転校生の市川知佳は、通学路で拾ったりんごに導かれるようにして、学校の屋上に足を踏み入れる。 そこで待っていたのは、…

草原の村ラコリスに生きる、平凡な「ぼく」ことシャハルディル。奇妙な宗教観を受け入れ、『神様』をつくる「ぼく」と村に、ある日大きな変化が訪れる。

かつて人間が奴隷として生み出した獣人たちが、滅亡した人間たちを旧人類と呼ぶ遥か未来の地球。緩やかに繁栄し、緩やかに衰退することを悠久に繰り返す世界には、時折、調停者あるいは監視者…

大切な人との記憶は、ゆくべき僕の道となる。

幼少期、ボクの全てだったヒーローが居た。 それがフィクションであることは十分過ぎるぐらい分かっている。そんな今でさえ、ボクは彼を思い続けている。 ある時期において、彼は現実以上に…

詩と物語のあわいを旅する 8歳の少年の目で森と夜と命の記憶を辿ります。 月明かりと風の音、動物や見えないもの、消えゆく者の声… 僕にとって書くことは命を捧げること。 誰か…

　祖父が死んだ。遺されたのは一冊の青い本。そこには、”夜明けに物語は始まる。”の一文しか書かれていなかった。わたしは夜明けの光の中、そっと表紙を捲る。するとページの奥から文字が溢…

閉塞の夜に現れた、言葉にならない呼び声の物語。

「みつけた」――炎の夜、誰かの声が囁いた。 目を覚ました少女・千鶴がいたのは、光と静寂に包まれた世界《ヴェル＝エル》。 封印の儀に巻き込まれ、彼女の中で眠っていた“力”が呼び覚ま…

国が勃興し、文明が沸き踊る激動の時代。彼女は確かに、その時代を命がけで生きた。 まだ十七歳を迎えていない彼女が、この旅の中で辛く、悲しく、そして少しだけ幸せな日々を送れたのは …

異世界に三つ子の一人として転生した僕。父は寡黙で厳めしいが、母は美人でとてもやさしい。しかも銀髪なんていうファンタジーらしい幻想的な髪色だ。なによりデカい。なにがとは言わない。そ…

　この街にもシンフォニック・エラーが木霊する。シンフォニック・エラー。誰もが耳を抑え、口を閉ざし、震え上がる言葉だった。街角のこじんまりとした料理屋で、暗殺者兼掃除係をしている俺…