「円城塔賞」を含む小説

　何でもできる死にたがりの少女と何も持たない欲深き少女のひと夏。

この島には、捨てられたものたちが集まってくる。姿を変えて、形を変えて。

誰にも感知されない1/18秒以下の感情の発露。重なり合う宿命。実らぬ想い。

「食われる…」 薔薇を見つけた現代の植物学者は魅了されていく。 「食べ頃だろうか？」 薔薇を見つめる過去のバンパイアは食べ頃を探っている。 「血は呪い」 魔女から逃げ、バンパ…

　その通知は、赤い封筒で届いた。 『特別屍籍法』 （正式名称：個人番号制度運用特別措置法） ◉目的：行政コストの適正化および社会の新陳代謝を促進するため。 ◉罰則：期間内に応…

休日の朝、主人公は鏡で見つけた白髪を【おけけくん】と名付け、感情を重ねる。 おけけくんが歩むかもしれない旅を想像する。

サウンドスケープ・アーキビスト――音響風景収集家という肩書きを持つ主人公は、なぜか雨の音に執着していた。ある雨の日、カフェで主人公がレコーダーの音をモニタリングしていると、奇妙な…

13世紀、キリキア・アルメニア王国の女王ザベル。 幼い頃のザベルは、偉大な父を敬う、どこにでもいる普通の少女だった。 突然の父の死。 たった7歳で女王として即位し、11歳で政略結…

～＊カクヨムコンテスト11短編小説部門・円城塔賞　参加作品です＊～ 〔 あらすじ 〕 近未来、人類はMNE(Memory Neural Extraction)と呼ばれる技術…

　遥か未来。長寿を手に入れた人類は、人生のほとんどを老人として過ごさなければならなくなってしまった。そんな悲劇を嘆いた人類は、進化の過程で自らを退行させ、何度も若返るという生体機…

時代の寵児とも言える芸術家タカノフミオから、独占取材の依頼を受ける美術雑誌の記者。 正体不明の芸術家からの依頼に舞い上がる記者であったが、いざ取材が始まるとタカノのインタビューは…

青蟹記[セイカイキ] 話すカニを捕まえた男の顛末。 『第二回さいかわ葉月賞』『円城塔賞』参加作品。 字数：7000字

月に暮らすうさぎの月呼（つきこ）ちゃん。「あたしはお餅などつかない！」と、地球人の噂にプンスカしています。でも……あの星には興味津々！

第二のビッグバンが起こって一世紀が経つ宇宙で、青年は墓標と出会い、ある女性は青年と喫茶店へ行く。そして、青年は数学へ転生し、墓標は未来を求める。

　同僚の山本が住んでいる部屋には、鏡が三つも備え付けられている。しかもそのうち一つには、ありえない光景が映し出されるという。 　実際に彼の部屋へ行ってみると、それは最近よく売られ…

▼香流公園の池の真ん中にある東屋は、ある条件が揃うと二十年後とつながるらしい。 ▼条件とは、『東屋のベンチの下に敷かれている砂利石を一つ拾うこと』と、『二十年後の同じ日に、拾った…

異星人との交流がある未来の世界。清田正義は、仕事でTA－１１星を訪れる。 そこで出会った謎の人物は、清田に「アドーレイ」と言って去って行った。 聞き覚えのない「アドーレイ」の意味…

天才少年シィ＝タドコロは、数字たちが生活する“数次空間”へと招かれる。 そこで知るのは、素数による独裁体制と、平民数字たちの苦しみ。 シィは唯一の＜人間＞として、平民数字と手を組…

「お願い、私を見つけて！」 そうお願いされたユウは、幽霊に頼みごとをされると言う未知の体験をする。 親友のセセラと山にハイキングにやって来たユウ。 しかしこの山では少し前にクマ…