「鏡に自分の姿が映らない」という、王道の怪談を思わせるところから始まる物語。
ところが読み進めていくと、ただの怪異では終わりません。
鏡の四隅にある小さな黒丸。
主人公が感じたわずかな映像の歪み。
そしてスマートフォンのカメラをきっかけに、それまで不可解だった出来事が一気に繋がっていく展開がとても面白かったです。
特に印象的だったのは、怪異の正体が分かれば安心できる……とはならないところ。
「幽霊ではなかった」と分かったはずなのに、では誰が、何のために人々の生活を映しているのか?という、今度は現実的な怖さが浮かび上がってきます。
怪談から始まり、謎解きの面白さを挟み、最後にはタイトルの意味までしっかり回収される構成が見事でした!