概要
村を救ったのは、最もつまらないと思っていた本だった。
文字が失われた崩壊後の世界。その男は本を「燃料」として燃やし、生きていた。かつて「日本」と呼ばれていた地域の廃墟。旧時代の叡智が眠る『図書館』を棲家とするサトシは、文字が読める数少ない人間だった。しかし、高度な知識が行き過ぎて滅んだこの世界では、知識は忌むべき存在。本はただ暖を取るための「燃料」でしかない。
村を訪れた行商人のセナとの出会いにより、サトシに転機が訪れる。二人三脚で、二人は知識を活かそうと試みた。
二人が経験したものは、成功と、挫折と、喪失。そして、知識を活かすことの、真の意味だった。
知識とは何か。人間と動物の違いとは。
これは、文字無き世界で独り本を燃やし続けていた男が、『書を司る者』となるまでの物語。
本を愛する全ての人にお届けしたい、新しいポストアポカリプス小説です。
村を訪れた行商人のセナとの出会いにより、サトシに転機が訪れる。二人三脚で、二人は知識を活かそうと試みた。
二人が経験したものは、成功と、挫折と、喪失。そして、知識を活かすことの、真の意味だった。
知識とは何か。人間と動物の違いとは。
これは、文字無き世界で独り本を燃やし続けていた男が、『書を司る者』となるまでの物語。
本を愛する全ての人にお届けしたい、新しいポストアポカリプス小説です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!知識は、使われ、受け継がれて初めて力になる――そんな“司書”の物語。
この話を読んで思い浮かべたのは、アフリカにおける日本の水プロジェクトだ。
地味で時間のかかる作業に見えても、現地の人々が技術を身につけることで、自分たちで井戸を増やし、維持していけるようになる。魚を与えるのではなく、釣り方を教える。技術は、使いつづけることではじめて意味をなす。
本も同じだ。いくら知識が保存されていても、それを生活に根づかせる人間がいなければ、宝の持ち腐れになる。
主人公は、知識を保存するだけでなく、それを人の生活へと橋渡しする人間だ。
この世界における真の意味での「司書」とは、そういう存在なのだと思う。 - ★★★ Excellent!!!灰となった世界で問い直される、知識の灯火
全話読ませていただきました。
この物語は、脳と機械が繋がり知識が必要なくなった高度な文明が崩壊したあとの退廃的なポストアポカリプスを舞台にしています。文字が失われ、知識が禁忌とされた世界では、本は「知恵」としてではなく、「燃料」として燃やされていきます。
主人公のサトシは、文字を読む力を持ち、図書館に住みながら密かに禁忌の知識に触れてきた人物です。それを隠して暮らすなかで旅人のセナと出会い、やがてその知識を村のために活かそうとします。
この作品が静かに問いかけてくるのは、「知識とは何か」ということです。知識を万能なものとして讃えるわけでもなく、危険なものとして切り捨てるわけでもありませ…続きを読む