第1話のプロローグがじわりと心に刺さる。心臓が骨化していく難病を告げられた天涯孤独の男が、医師に勧められるまま冷凍睡眠の臨床試験を承諾する。
「孤独死で迷惑をかけるよりも、治験で人の役に立って死ぬ方がマシか」——このひとことが、主人公の境遇と人柄を一文で描き切っている。誰にも必要とされていない孤独の哀愁と、それでも誰かの役に立ちたいという静かな優しさ。これだけで主人公を好きになる。
最後に流れるニュースの「メイドロイド」という単語が、後の世界観への伏線として巧妙に機能している。★2,500超・368話という規模の長編だからこそ、この小さな導入の密度が際立つ。ポストアポカリプス×戦車×アンドロイドという組み合わせを存分に楽しみたい。