天気村にもたらされた程々精神の恩恵

天気村では、ふるさと納税の返礼品として特産物を用意していました。この村でしか栽培できない『雨男』『雨女』『晴れ男』『晴れ女』という人型埴輪様な形状物です。
『雨』の頭部に黒雲模様が、『晴』のそれには小さな太陽を象った発光体が付いているから愛らしく、晴れの日には『雨』の特産品が売れ、逆もまた然りというから分かりやすい。

でもここで問題発生。

その中間である『曇り』がこの村になかったのです。極端な気象に振り回され、特産品の需要は極端に偏り、村役人たちは頭を悩ませます。
そんなある時、普通なら絶対に同じ畝に植えない『雨女』と『晴れ男』とを隣り合わせで植っている場面を発見します。

そのとき中和のように打ち消し合うことがわかって役人たちはその現象に目を見張ります。
雨も晴れも強すぎず、ちょうど良い『曇り』となっていたのです。
この程よさがこの村にはカッチリとハマったようで需要が急増。
一見、微笑ましいストーリーですが、こういう物語から学ぶ機会は多分にあると考えます。
何事も行き過ぎた考えや行動はやがてお互いに干渉し合い、いい結果をもたらしません。風刺的な意味合いも含まれていて考えさせられます。
学びのあるそんな素敵な小説です。

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