概要
流血などはありません。
人によっては不快な話かもしれません。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ひんやりとして静か。でもその奥の、小さな烈しさ。
耳で揺れるピアスってとても可愛らしくて綺麗で。
でもその為には、穴を開けなくてはならない。
痛いし、時間もかかるし。
どうしようかな、と誰もがちょっとためらって、えいやっと開けるもの。
それを誰かにやってもらう行為がこれほど特別な物語になるとは・・・。
この彼女がどれだけこの美しい手を持つ男性が好きなのか、愛情を感じているのかが伝わって来て。
どんな女性なのだろう、どんな男性なのだろうと思わず想像を巡らせてしまいます。
ひんやりと静かですが、その奥の、小さな・・・とても烈しい何かを感じる、そんな物語です。
ぜひご一読くださいませ。 - ★★★ Excellent!!!好きになっちゃったよ。アナタの筆致
拝読しました。
ピアスという題材を通して滲んでくる二人の情景が刺さります。滲むと表現したのは、この作品は多くを語らないからです。
それにも関わらず、作者様の強度の高い筆致が断片的な物語の骨格に深みを与えております。
私はピアスを開けた経験はありません。故に、「人体に意図的に穴を開けるという行為」を非常に興味深く、偏愛な嗜好を抱いた視点で紡がれた本作は、私にとって新鮮な疑似体験でした。
もちろん忌避するような感情を抱いてしまう方もいるかと思われますが、表現はとても繊細で、不快感は殆ど感じませんでしたね。
価値観次第と言われればそれ迄ですが。前述した通り、作品全体に作者様の気遣いが行…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この物語は甘くない
私はピアスホールを開けたことがない。
塞がることはあるかもしれない。
だが、元通りになることはない。
なるほど、塞がるかもしれないけれど元には戻らない、取り返しのつかない不可逆性という点において、これは人間関係と同じなのだ。
本作の描写は生々しく、比喩は痛々しい。
視覚から痛覚へと、ほとんど直通で侵入してくる。
作者の筆致は読者を逃がさない。
安全な距離に立つことなど許されず、想像という檻に閉じ込められ、主人公と同じ感覚を味わわされる。
この物語は甘くない。
それでいて誠実で、残酷で、そして甘美ですらある。
癖になる読後感だ。
読みながらも、読み終えたあとも、私はずっと耳を触っている…続きを読む - ★★★ Excellent!!!冷たい指先に穿つ
――ライデンフロスト効果。
拝読して、そんな言葉を思い出しました。
冷ややかさと熱情の間に生まれる、薄い膜。
その上でだけ、雫はかろうじて踊り続ける。
熱が過ぎればカタチを保てず、冷えすぎては濡れ広がって消えてしまう。
あわいにだけ宿る、儚いうつくしさ。
それを、縫い留めたいと思うならば。
傷つけること。傷つくこと。
双方向で、交わらない痛み。
その残酷な原体験が、こんな風に透明で甘美であったなら。
なんて素敵なのだろうと。
そして、物語に陶然と酔ったまま、千鳥足で扉の奥を覗くとき、深く底の見えない海溝の淵に立ったような、そんな畏れを抱くのです。
作者様のエッセンスが凝縮された一…続きを読む