主人公は社会人の男性である根詰(ねづみ)さん。
彼は夕飯を終えて、まったりとお茶を飲みながら天気予報を見ていました。
すると、なんと明日の天候はまさかの「猫」!
こんなこと誰が信じられるでしょうか?
どのニュースサイトを見ても大きな反応があるわけでもなく、「天気 猫」で調べてみると猫の天気記号が画面上に表示される……。
翌日、根詰さんが寝室の窓から空の様子を窺おうとした時、なんと窓にキジトラの猫ちゃんが張り付いていて――!?
ぜひ猫ちゃんが好きな方に読んでいただきたい一作です✨
たくさんの猫ちゃんとの出会いがありますよ!
ご一読を🐱
本作は、あり得ない出来事を「あり得ない」と主張しません。
説明も、理由付けもないまま、淡々と積み重ねられていく描写が、読者の感覚を静かに書き換えていきます。
おかしいのは世界なのか、それとも自分なのか。
その境界が曖昧になっていく感覚が実に心地よい。
繰り返し現れるモチーフが、次第に意味を帯び、不条理は笑いへと転化していきます。
軽やかで可笑しいのに、どこか落ち着かない。
このバランス感覚こそが、本作の最大の魅力でしょう。
読み終えたあと、ふと空を見上げたくなる。
そして、明日の天気予報を少しだけ疑ってしまう。
そんな余韻を残してくれる、発想と筆致が際立つ一編でした。