〝虚構〟が凶行に染まる瞬間を描く──雪山心理ミステリ
- ★★★ Excellent!!!
雪に閉ざされた山荘──
〝作り物〟のはずの空気が
いつの間にか
本物の冷たさを帯びていく。
ミステリ研の悪ふざけ
軽い台詞
妙に揃った反応
その薄い膜の下で
読者の背中だけが先に凍る。
名探偵の決め台詞すら
ここでは儀式のように空虚で
だからこそ怖い。
雪音と沈黙
そして〝違和感〟を拾う手つきが
美しい短編ミステリ。
最後に残るのは、説明ではなく
雪の冷たさに
胸が渇くような、余韻──⋯