〝虚構〟が凶行に染まる瞬間を描く──雪山心理ミステリ

雪に閉ざされた山荘──

〝作り物〟のはずの空気が
いつの間にか

本物の冷たさを帯びていく。

ミステリ研の悪ふざけ
軽い台詞
妙に揃った反応

その薄い膜の下で
読者の背中だけが先に凍る。

名探偵の決め台詞すら
ここでは儀式のように空虚で

だからこそ怖い。

雪音と沈黙
そして〝違和感〟を拾う手つきが
美しい短編ミステリ。

最後に残るのは、説明ではなく

雪の冷たさに
胸が渇くような、余韻──⋯

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