最初、飄々としたエルフさんの「のほほん麦酒醸造旅」が描かれるのかと思いきや、麦酒だけではなかったわけです。
国、領土、地形に気候に、人間、人外、世界観がしっかりしているし、魔法の設定も、練られている。その世界に生きる人たちの思惑も。
作中出てくる植物も、おそらくこの世界と同じもの(モデル)だろうと思うけど、名前も変えて登場するし、一つ一つが私たちの世界とは別の”異世界”として描かれていて、こだわりを感じました。
自分の生きてる世界との乖離がありすぎると感情移入できないため、あまり”異世界もの”を好んでは読まない私ですが、作り込まれた異世界であれば、読みやすいのだと気付かされました。ありがとうございます。
美貌のエルフ、あの語り口、本物のアルトゥス様を見てみたいです✨
このお話が、これからどうなっていくのか、楽しみです。
読み始めたばかりですが……圧倒的な筆力と描写の美しさに一気に惹き込まれました!
風にそよぐ麦の音、注がれた酒の黄金色の輝き、そして旅の道中で出会う人々の息遣い……。
細部まで丁寧かつ鮮やかに描き出される情景が、まるで上質な映画を観ているかのように脳裏へ広がります。
100年以上も理想の味を追い求めるエルフの飄々とした魅力はもちろん、国家間のパワーバランスや農業政策までを物語に編み込む緻密な構成力もお見事です。
美味しいお酒と温かな交流、そして時折のぞく長命種ゆえの切なさと知性。この豊かな物語がどこへ向かうのか、続きが楽しみで仕方がありません!
ひとこと紹介通りです。
主人公のキャラクターがめちゃくちゃ良いです。
しょっぱなからド変人ムーブかましておいて、でもしっかり理知的な背景がある。
エルフという立場でありながら高慢でなく、かと言って大人しすぎず、軽口を叩きつつも思慮深いっていう丁度いい塩梅。
キャラクター同士の会話も良いですね。
読んでいて気持ちいいです。
お互いに丁度いい距離感があって、でもちゃんと会話や展開が転がっていく。
設定語りじゃなくて、会話の中で綺麗に目的や世界観や背景が伝わってきます。
総じて、作者さんの腕が光る作品です。
派手な事件や誇張で釣らなくても、キャラの魅力と旅の空気で読者を惹きつけることができる。
かなりオススメの作品です!!
詩を詠むかのような美しい情景描写、穏やかで確かな筆致の中に、経済・技術・因果関係という根幹が、説明ではなくストーリーとして描かれ、物語の中でキャラクターだけでなく社会が、確かに息をして動いている。そのリアリズムに没入する。
生物学的・地学的根拠がストーリーに違和感なく、しかし精密に組み込まれているため、アルトゥスの知性・推論・キャラクターの言動に一貫したロジックを見る。
長命・短命という種族間差異の埋められない距離感への儚い抗い、友情を尊重する成熟した男女の在り方、すべてが品格のある読後感に繋がる。
プロの技術を官能的ともいえる語彙で彩り、美しい情景とともに魅せられたウイスキー派の私は、旨い麦酒を飲みたいという浮気心を掻き立てられる────。
博識な人がじっくり腰を据えて書いたのだな、という印象を受ける作品です。
作品全体に落ち着きがあり、慌ただしさを感じさせない緩やかさが何よりの特徴です。
この穏やかさ、WEB小説の界隈ではなかなかに貴重かもしれません。
また、知的好奇心をくすぐるような小話や、凝った設定の数々の片鱗が、その手のマニアにはたまらないほどふんだんに並べられており、かなりの満足度が見込めます。
そして、主人公と他の登場人物との会話にも、きらりと光る大人の知性が宿っているのが感じられます。
勢いで押し通そうとする青臭い文章にはない、しっかりと会話を楽しもうという雰囲気が実に豊かです。
落ち着いて穏やかな心持ちの作品を楽しみたいという方には、是非ともお勧めできる作品です。
嫉妬してしまう程の台詞回しの巧みさと、読んでいるだけでその世界の住民になったのかと錯覚させられる程の描写力が両立している稀有で秀逸な作品でした。
物語の主軸は落ち着いた人間(エルフ)ドラマに置かれているのですが、それを地味に感じさせないストーリーテンポの秀逸さと、引き込まれる繊細な世界観。
キャラの一人一人が「その世界の住民」としての説得力を持っており、水が上流から下流に流れるが如く自然に会話が進んでゆく。
時折挟まれる主人公の注釈が、地の文が重くなりすぎないことに寄与している上に、キャラ同士の個性的な掛け合いや作中世界を理解することへの補助もしてくれている。
主人公が後世に向けて書いた日記なのかと思う程に「生きた」ファンタジー世界がそこにはありました。