この雨は不可避なものかも? なぜなら「それ」が伝統だから

 なんて可愛らしいお話なのだろう、と頬が緩みます。

 翌日に結婚式を控えたカップル梨衣奈と拓。
 梨衣奈は明日の結婚式が晴れになって欲しいと強く願い、色々と「科学的」な方法などを試そうとし、拓はそれに苦笑いをすることに。

 ちょっとお天気屋さんでもあり破天荒なところもある梨衣奈がとにかく可愛らしい。「科学的発想」として「どうして雨が降るか」というのと各種の迷信的なものを組み合わせて分析してみるけれど、それを応用しようとしたところで一挙にカオスな理屈へと早変わりしてしまう。

 拓は拓で、そんな梨衣奈が納得するような「変な理論」を出して一応はおとなしくさせられる。うまく心のツボを突いて落ち着きを取り戻させる夫。この二人、いい夫婦になりそうだな、という予感だけはします。

 そして迎えた当日ですが……果たして天気はどうなるか。

 なぜ、「雨が降る」が確定のように見られていたのか。最後まで読むことで「なるほど」と思わされました。

 梨衣奈がウェディングドレスを着たかったのに、なぜ白無垢でないといけなかったか。そういう様々な話が最終的に一つにまとまり、一個の「絵」が見えてくるように。

 そう言えば、そういう話があったなあ、と。ほのぼのとしたファンタジック感を味わえる、可愛らして素敵なお話です。

その他のおすすめレビュー

黒澤 主計さんの他のおすすめレビュー2,178