概要
人類が大人になるために、一本の針は贈られた
※「カクヨムコンテスト11【短編】」の企画、「お題フェス」用です。
卒業旅行の最終日、僕は恒星間貨客船の観測デッキから、
一本の「銀の針」を見下ろしていた。
それはかつて、人類が宇宙へと踏み出すために使われた
軌道エレベータ――今では役目を終えた史跡。
宇宙が最初から「開かれた庭」である世代の僕には、
その建造物がなぜ残されているのか、理解できなかった。
老教師が語るのは、
絶望の底にあった人類が、
汎銀河文明から受け取った「成人のお祝い」の記憶。
これは、
文明の成人式であり、
世代交代の物語であり、
そして、何も知らずに祝われる君たち自身の話だ。
卒業旅行の最終日、僕は恒星間貨客船の観測デッキから、
一本の「銀の針」を見下ろしていた。
それはかつて、人類が宇宙へと踏み出すために使われた
軌道エレベータ――今では役目を終えた史跡。
宇宙が最初から「開かれた庭」である世代の僕には、
その建造物がなぜ残されているのか、理解できなかった。
老教師が語るのは、
絶望の底にあった人類が、
汎銀河文明から受け取った「成人のお祝い」の記憶。
これは、
文明の成人式であり、
世代交代の物語であり、
そして、何も知らずに祝われる君たち自身の話だ。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!軌道エレベーター。銀の針の様なそれは前時代の人類が遺す希望の墓標だった
卒業旅行の途中で、宇宙空間から地球を眺めていて目にした銀の針。
そう目に映るのは、前時代の軌道エレベータだった。
今の世代には、実用性のないただの遺構だ。
彼の無関心を教師の言葉が、小さくしかし確かに変えていく。
彼はその時代を知る世代だった。
この遺構は、かつて閉塞し、衰亡の危機にあった人類が掴んだ救いの蜘蛛の糸であったこと。
現在ではもう実用性を失った希望の墓標であること。
教師は語り続ける。
現世代には遺構の意義を知る事ができれば、十分であり、当時の熱気や思いを理解できなくても構わないと。
そんな教師の言葉が、主人公の胸の奥に敬意を点す。
本作に描かれたのは、まだこの世にない…続きを読む