• マイページ
  • 小説を探す
  • ネクスト
  • 書籍化作品
KADOKAWA Group
  • ログイン
  • 新規登録(無料)
祝福は銀の針のように

祝福は銀の針のように

黒冬如庵

おすすめレビュー

★で称える
★★★
★3
1人が評価しました
本文あり
日付が新しい順

本文ありのおすすめレビュー

  • 木山喬鳥
    714件の
    レビューを投稿
    ★★★ Excellent!!!

    軌道エレベーター。銀の針の様なそれは前時代の人類が遺す希望の墓標だった

    卒業旅行の途中で、宇宙空間から地球を眺めていて目にした銀の針。
    そう目に映るのは、前時代の軌道エレベータだった。
    今の世代には、実用性のないただの遺構だ。

    彼の無関心を教師の言葉が、小さくしかし確かに変えていく。
    彼はその時代を知る世代だった。

    この遺構は、かつて閉塞し、衰亡の危機にあった人類が掴んだ救いの蜘蛛の糸であったこと。
    現在ではもう実用性を失った希望の墓標であること。

    教師は語り続ける。

    現世代には遺構の意義を知る事ができれば、十分であり、当時の熱気や思いを理解できなくても構わないと。
    そんな教師の言葉が、主人公の胸の奥に敬意を点す。

    本作に描かれたのは、まだこの世にないノスタルジー。
    やがて来たるべき世界の存在するかも知れない感情。
    まさにSFで描かれるべき情動です。

    ぜひご一読ください。

    • 2026年1月2日 08:15