常識がいとも容易く覆る。目から鱗の論考!

日本人であれば誰もが知る『桃太郎』の
昔ばなし。この絵本にもなる国民的な
物語について考察した民俗学的にも非常に
価値のある論文とも言える。が、
 これは力を抜いて読めるものだから是非
多くの人たちに読んで欲しいと思う。

『桃太郎』は、桃から生まれた…という
事象についてはもう既に多くの検討が
なされているが、本作は

桃太郎に、どうして野良動物が 家来 と
いう貌で付き従ったのか?

という部分にクローズアップしている。
世界中を眺めて見ても、野良動物を仲間に
する、コミュニティの中へと招き入れる
事象は少なくは無い。けれども、これらを
家来として扱う事は、『桃太郎』にしか
例がないという。

  その謎は。

家来 という言葉にあるらしいのだ。
多くは語らないが、この作品は論文として
出されても何ら違和感なく読めてしまう。
 作者の他の作品、比較神話論も興味深い
考察がいっぱいあって、目から鱗。

是非、一読されたい。