第12話 遅れて来た救援
「この精体反応は!」
その正体は、惑星エテルナリアからやって来たエテルネル族のキリスだった。肩まで垂れたパーマがかったセミロングの茶髪に、持っていた
殆ど一掃して最後の一体を打ち砕いた後、今度は洸太と対峙していたクロエの前に、まるでワープしたかのように現れて彼女を杖で真っ直ぐ突く。
「うっ」と、つい声に出して突き飛ばされたクロエだったが、受ける直前に両腕でガードしたため少ないダメージで済んで、倒れることなく踏ん張った。
「キリスさん!」
「遅くなってすまない。ここは私が引き受ける。早く行くんだ」
「はい、ありがとうございます」
颯爽と現れたキリスにそう告げられた洸太は「行くぞ、陽助!」と声をかけ、「ああ!」と返した陽助は、二人で本来の目的である白人男性の行方を追うために先を急ぐ。
「このぉ……逃げるなぁあ!」と、クロエがそう吐き捨ててすぐに飛んで追撃するも、キリスが咄嗟に前に出て行く手を阻む。
「邪魔だ」と言わんばかりにクロエがビッグディッパーを水平に思い切り振るも、キリスが即座に上に跳んで回避し、前転した後に杖を振り下ろす。「ガンッ!」とクロエは辛うじてビッグディッパーの柄で防ぐも、「うっ!」と圧し負け、「ドォオオンッ!」と地面に叩き落とされてしまった。
キリスが横を向くと、ジャックがこちらを見ながら腕を組んで立っている。すると少し経ってから、何かがドシンドシンと大地を踏み鳴らしながら走ってやって来ている。その正体はティラノサウルスで、他の恐竜と同様に全身が骨だけの個体だった。
一旦立ち止まって頭を垂れてジャックを頭の上に乗せると、雄叫びを上げるように口を目いっぱい開けてキリスの目の前まで迫り、その大きな口を目一杯開けて食べようとする。
それでも避けようとしないキリスを見てジャックはほくそ笑んだが、キリスは一切動じることなく、開いたティラノサウルスの上顎に杖で軽く触れた途端に粉々に粉砕されてしまった。
頭から尻尾にかけてポップコーンのように「パアンッ!」と木っ端微塵に砕け散り、足場が崩落したことでジャックはバランスを失って落下していった。
「くっ、いきなり現れやがって……邪魔するなぁあああ!」と、クロエが煙の中から現れて不服そうに吠える。
そして細かい破片となって散乱していた骨たちが、見えない糸に引っ張られるように集まって、一個ずつ元の形に組み合わさっていく。
そうして復元されたティラノサウルスの骸骨は、威厳を見せつけるように、天を仰いで咆哮を上げる挙動をしてみせる。もし声帯が備わっていたなら、迫力が何倍にも増していたかも知れないと感じられる程の力強いものだった。
「気を付けろ、相当な手練れだぞ」復活したティラノサウルスの横に立ったジャックがキリスを睨みつけながら、彼の底知れぬ強さを理解してクロエにそう警告する。
「関係無いっ! 誰だろうと全員ぶっ殺してやるぅ!」と、臆せず堂々と立ち向かう姿勢を取った。ジャックと同様にクロエも波導を感知していたが、それすら些事と思える程に、怒りで我を忘れていた。
対するキリスも顰め面を浮かべたままで、洸太と陽助が目的を達成するまで、目の前にいるこの二人を食い止めるために戦うのだった。
次の更新予定
ネオナイトⅡ:ジェノサイド・プロトコル -The Neoknight Ⅱ : Genocide Protocol- 天ノ崎䌢 @bunkichi
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