すごく切ない気持ちに。ちいちゃん、とにかく大事にしてあげたい

 これはリアルに起こることなんだろうな、と思うと切なくなります。

 ちいちゃん。彼女はトシキくんのことが好きで好きでたまらなくて、何度も卵を産んでしまう。
 そんな日々の先でトシキくんが「別の男の子」を連れてくるようなことをして、ちいちゃんは裏切られたような気持ちになる。

 どういうことだろう、と読者は読み進める中で思います。好きな男の子のために卵を産んでしまう。ちいちゃんは人間とは違う何かの生き物なのか。

 そしてトシキくんの視点に変わり、ちいちゃんの身に起こっていることが反芻されるように。

 これは、きっと本当に起こることなんだろうとしみじみと思わされます。そして、「ちいちゃん」の視点からその現象を追いかけていった読者としては、すごく切ない気持ちに。

 世の中で「同じ現象」が起こっている際に、ちいちゃんみたいな子も同じことを感じているのかもしれない。そんな風に思うと、なんだかすごく胸が締め付けられる気がしました。