詩情に満ちた静謐なる文体で、『世界』に刻印する
- ★★★ Excellent!!!
滅ぼされた村の書商が、19歳に若返って世界をやり直す。これは作者さんの概要のとおりです。
物語は淡々とした文体で語られます。この淡々とした文体と、描かれる事象の詩的な美しさが実にマッチしています。
モンスターと戦っているあたりは熱を帯びていますが、舞台が『白柱の都市』へうつると、清浄で静寂な風景の中で淡々と手続きが行われる風になっていき、記録、解析、鑑定、契約、編集、そして世界の書き換えといった事象が、枯淡、あるいは侘び寂の美しさを伴って描かれます。
書商トラヤウルスが、いかにして人類の頂点を目指すのか、引きつづき見守らせていただきたいと思います。
(このレビューはエピソード25を読み終わった段階で書いています)