ファンタジー x 現代トレーニング論 x 東洋的魔法論

まず、本作は西洋風ファンタジーとして非常に面白いです。
その辺のレビューは他のレビュワーにお任せして、私は本作にどのような独自性があるかを語りたいと思います。


まず、トレーニングが非常に現代的です。

主人公は導きを受けてトレーニングをしますが、根性論的に頑張るのでなく、適切に栄養を摂り、適切に休息を入れるよう命じられます。非常に現代的です。

また、自分で考えて、自分の判断で行動する力も重要視されます。これも現代的です。


『丹田』というキーワードが大切にされているのは東洋的で、興味深いです。

武道や坐禅などで『気を練る』ときには、丹田を意識するものです。
この作品では、その『気』を魔力としているように見えます。
(仏教では丹田はもっと大きな意味を持ちますが、ネタバレになりたくないので伏せておきます)

この独自性がロジカルに光る作品、今後の展開を楽しみにいたしております!

(おまけ)
丹田には上丹田・中丹田・下丹田があり、略して丹田と言うときには下丹田を意味することが多いです。臍下丹田とも言います。
おへそから指をおろして、最初に突き当たった腹筋(シックスパック)のへこみの奥に丹田がある……個人差は大きいですが、大まかこんな感じです。この作品を読むときには、丹田を意識しながら読むと、面白味が増すと思います。

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