ノベルリライト

大学生の一ノ瀬 湊（いちのせ みなと）は、小説投稿サイトに全てを捧げていた。バイト以外の時間は全て執筆に充て、ついに念願の「新人文学大賞」を受賞する。しかし、運命は残酷だった。授賞式の当日、極度の過労と隠れていた持病が重なり、湊は会場で倒れてしまう。

命は取り留めたものの、医師から告げられたのは「執筆活動の禁止」という宣告。デビュー作となるはずだった作品は、改稿作業すらままならず出版中止。湊は、自分の分身とも言える物語を失い、逃げるように筆を折って表舞台から姿を消した。

数年後、体調を考慮しながら細々と生きる湊は、ふと立ち寄った図書館で衝撃的な光景を目にする。

そこには、かつて切磋琢磨し、共に夢を語り合ったライバルの作品が、「アニメ化」という最高の形で棚を飾っていた。

「自分だけが…続きを読む