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概要
どんなことがあっても、どうか強く生きてほしい――。
南洋に浮かぶ島嶼を治める、マタラム王国。六〈ヌム〉の王子であるステノゴは、南国のおおらかな気質の島民達に囲まれて、のびのびと暮らしていた。
おいしい食べ物に一年中温暖な気候、素朴で穏やかな日々の営み――神々の平和は、この先もずっと成されるのだと、信じて疑わなかった。三年半後、十四歳になったら、慣習通り本島を出て、ンゴボン島の首長の娘の婿になるのだ、と。
一方、北東に広がる大陸では、一月早い冬が訪れていた。大陸の北部を統べるスティンヴァーリ帝国では、熱病が猛威を振るい、人々は病魔に喘いだ。
その苦境に、好機を見出した者がいた。大陸の北と東を繋ぐ交易の地、ファールサの宰相ファルジャードである。彼は王〈シャー〉に謁見し、こう囁いた。
マタラムへの派兵を、お許しいただきとう存じます、と――。
★毎
おいしい食べ物に一年中温暖な気候、素朴で穏やかな日々の営み――神々の平和は、この先もずっと成されるのだと、信じて疑わなかった。三年半後、十四歳になったら、慣習通り本島を出て、ンゴボン島の首長の娘の婿になるのだ、と。
一方、北東に広がる大陸では、一月早い冬が訪れていた。大陸の北部を統べるスティンヴァーリ帝国では、熱病が猛威を振るい、人々は病魔に喘いだ。
その苦境に、好機を見出した者がいた。大陸の北と東を繋ぐ交易の地、ファールサの宰相ファルジャードである。彼は王〈シャー〉に謁見し、こう囁いた。
マタラムへの派兵を、お許しいただきとう存じます、と――。
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