心がふわりと軽くなる、言葉の魔法と愛嬌の物語

この物語は、読んでいるだけで、凍てついた森の冷たさが心地よい涼風に変わってしまうような……そんな優しい魅力に満ちています。

自分を信じて疑わない男のまっすぐな姿が、どこかお茶目で愛おしく、失敗さえも「未知との出会い」として楽しんでしまう心のしなやかさに、知らず知らずのうちに心が解きほぐされていきました。

一歩踏み出す勇気と、うまくいかなくてもそれを軽やかに笑い飛ばすゆとりが、美しいリズムの言葉の中にぎゅっと詰め込まれています。

最後の鮮やかな言葉遊びまで、まるで上質な贈り物を受け取った時のような、とっても温かくて粋な余韻を残してくれる……素敵な物語です。

その他のおすすめレビュー

深見双葉さんの他のおすすめレビュー284