未経験ゆえ無敗を誇る男の未知狩り噺
- ★★★ Excellent!!!
題名どおり「失敗したことがない男」を、腕前ではなく発想のねじれで立てたのが巧い。村長に「狩りはしたことあったか?」と問われ、「ありません。でも失敗したこともありません」と胸を張る返しで、人物像と落ちの方向が一息に決まる。未知というお題を、勇敢さではなく自己定義の奇妙さで受け止めている。
短い一席の中で、未知が「森の奥」でもあり「自分の言い分」でもあると見せてくる。読み終えたあと、軽いのに妙に記憶に残る。