聖域に生半可な覚悟で押し入ることなかれ
- ★★★ Excellent!!!
痛部屋、それは自身の「しゅき」を極限にまで突き詰めた、完全なる趣味の聖域。
時にどぎつく、視覚的情報の多さに圧倒するそれは、受け入れる者を選ぶ物理的な結界でもあります。
そこに一般人が生半可な気持ちで押し入るのは、身投げに等しい行為でしょう。
しかし、本作の主人公ジョージ警部は奇しくもその聖域に、図らずも押し入ってしまいます。
理解不能、意味不明、世間一般の常識とのズレ……様々な未知がジョージ警部を襲います。
何とお労しや……!
それでも事件を解決するため、勇猛果敢に道に立ち向かうジョージ警部。
冴え渡る推理で、この難問に挑みます。
が、事件は思わぬ結末を迎えて……。
私自身もなかなかのエグイ痛部屋住みなのですが、結構方向性が取っ散らかってるせいで色々推理の妨げになりそうなので、間違っても死ぬわけにはいかないなあと思うなどしました。
我々の「オタ趣味」は、一般人から見れば複雑怪奇であるということを再確認できる作品でした。
オタの方は自身を見つめ直すきっかけとして、そうでない方は未知なるオタ趣味の世界を覗き見るつもりで、それぞれ本作をお楽しみください。