概要
私の痛みを、あなたが作品にする。私はそれを許す。――共犯の恋。
『痛くて、きれいなところ。描かせてください』
その「お願い」は、紬の世界をひっくり返した。
片足義足の大学生・紬が入ったのは、障害のある学生向けの寮。相部屋の相手は、補聴器があってもほとんど聞こえず、声も出せない芸大生・舞だった。スマホの文字と手話、透明マスク、文字起こしアプリ――ふたりは「ルール」を増やしながら、少しずつ同じ生活を作っていく。
けれど紬は、舞の“かわいい絵”の中に、執念みたいな視線を見つけてしまう。怖いのに、目が離せない。
やがて分かる。その怖さは、忘れたくないという祈りで、分かりたいという献身だった。
声じゃなく、生活で育つ恋。
やさしい同居は、いつか共犯になる。
その「お願い」は、紬の世界をひっくり返した。
片足義足の大学生・紬が入ったのは、障害のある学生向けの寮。相部屋の相手は、補聴器があってもほとんど聞こえず、声も出せない芸大生・舞だった。スマホの文字と手話、透明マスク、文字起こしアプリ――ふたりは「ルール」を増やしながら、少しずつ同じ生活を作っていく。
けれど紬は、舞の“かわいい絵”の中に、執念みたいな視線を見つけてしまう。怖いのに、目が離せない。
やがて分かる。その怖さは、忘れたくないという祈りで、分かりたいという献身だった。
声じゃなく、生活で育つ恋。
やさしい同居は、いつか共犯になる。
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