温かい場所を知ってしまった少年と彼にそれを教えた女の、短く長い日々

数え切れないほどの出会いと別れを繰り返す少年。
それが全て別の人間相手ならば良かったでしょう。けれど少年はある時から、同じ人物とそれを繰り返すようになるのです。

少年は誰にも覚えていてもらえない、朔の夜の迷い人。年を取らず、誰の記憶にも残らず、そうして長い時を生きるうちに自分の名前すらも忘れてしまった。
そんな彼に再び名前を与えた女は、記録することで名前だけでなく自分との繋がりも彼に与えました。
その繋がりは何度女が少年を忘れても、再び彼らを元の関係性に繋ぎ直してくれます。

けれどその関係性が強くなればなるほど、少年にとって女との別れは辛くなっていきます。しかも年を取らないのは少年だけ。いずれこの出会いと別れにも終わりが来てしまうことは明らか。

温かい場所を知ってしまった少年と、彼にそれを教えた女の、短く長い日々の記録。