ケミストリーを理解した都市伝説ミステリー。

僕はそこそこ都市伝説が好きです(笑)。

都市伝説の面白さというのは「視点の変化」です。それは「事実」だと思っていた事を意外なアングルで見る事で、違った形が見える事にあります。

それが正しいかどうかは別問題(ここ重要)。
その「視点」の面白さを楽しむものです。
だから「信じる信じないはあなた次第」という訳です。

ゆえに都市伝説とは、エンターテインメント小説と相性がいいのです。
どんな切り口で物語を紡ぐのか、目新しい視点として読者の興味を引く導線が「都市伝説」という素材により既に確保されているからです。

さて本作です。

東京の地下に存在する幻の駅と予言が当たると大注目される人気予言者Vtuber【あいは】――その謎……。

という導入です。

楽しみ方は二つ!

ひとつはエンタメ小説として一気に読み進める事。

もうひとつは物語に隠された「コード」である情報の精査をしながら、全体像を理解する事。

どちらの読み方をしても、鮮やかなエンディングに舌を巻く事でしょう。

例えるなら洞窟を歩くのに似ています。最初は徐々に進んで、曲がり角などで進行方向に頭を迷わせつつ、奥に進めば進むほど険しさが増し、一気に落下してとんでもない場所に辿り着く。

そんな「冒険」をこの都市伝説小説で体験出来ます。

最後に、小説の楽しさは登場人物達が生み出すケミストリーです。ここに登場する人物達全てが生み出すケミストリー、その面白さが都市伝説的要素により「魅力的に倍加」してゆく様を読者は目撃する事になります。

お勧め致します。

一見するとマニアックな材料である「都市伝説」。それを見事にエンタメ小説にカテゴライズさせる事で、驚く効果と巧妙な演出を生み、爆発力のある「真実」と「結末」に到達できます。

皆様、宜しくお願い致します( ;∀;)

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