おおお、まっずうううぇあ!

「人の不幸は蜜の味」なんていう碌でもない言葉がありますが、実際、人間というのは浅はかなもので、他人が絶望し苦しんでいるのを見ると、「快」の感情が生まれてしまうのです。
苦しむ様子がおかしくて笑えてしまうとか、自分が不幸な目に合わなくてよかったという安堵とか、身を切ることなく体験談という形で経験を得られたというお得感とか、哀れみからくる優越感とか。

なので、本作を読んで笑ってしまうのは、仕方がないことなんです。
勿論、そこには作者様の絶妙で軽快な語彙溢れる豊かな文章表現の力も多分にあるのですが、その絶望的な不味さ、そして二度と味わいたくないという深い後悔の姿が、どうしても笑えてしまうのです。

見えてる地雷を踏み抜く胆力も、異次元からの刺客による不意打ちも、戯れの末生まれた悲しき実験結果も、喉元過ぎれば何とやら。
しかし、忘れずに叫びましょう。
「おおお、まっずうううぇあ!」

南無。

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