儚くも美しき世界――それもホラー
- ★★★ Excellent!!!
この作品をホラーと分類するか難しいところではあります。昨今ではホラーは恐がらせるものと思われがちですが、その本質は恐怖だと自分は考えています。
そして、恐怖とは人の奥底にある未知への畏怖であり、その根底には人の業があります。本作品はその部分を見事に描いており、自分はホラーであると断言します。
さて、本作の舞台設定は座敷牢であり、主役は囚われのギンと世話役の隼人です。それは金魚鉢や小さな桶とその中で泳ぐ金魚と対比されているのだと自分は感じました。みなが解放されることのない金魚なのだと。
狭い世界の中しかしらない金魚を憐れむ隼人。その憐憫は同じ境遇であるギンにも向けられる。でも、それはきっと隼人自身も同じで、そこから解放されるためには燃やさなければならなかった。
その燃やしたものこそ人の業。
いったい何を言っているんだと思われることでしょう。
それはみなさまが実際に本作を読んで確かめてください。