「物語は終わったはずだった」というところから始まる、というメタな発想がまず秀逸だ。エンディング後の没落悪役貴族として転生する、という設定は、よくある「俺TUEEE」転生ものへの巧妙なアンチテーゼとして機能している。レビューで繰り返し評されている通り、原作知識があっても「もう手遅れ」という絶望感とコメディが同時に来る構成は他にない味わいがある。
囚われの身でありながら【錬成】スキルと「世界の真実」を武器に、終わったはずの物語をもう一度救うために這い上がっていく——そのテンポの良い地の文とツッコミのリズムが、69話を一気に読ませる牽引力になっている。聖騎士アーサーとのコミカルな掛け合いが、重くなりがちな設定を軽やかに支えているのも好印象だ。
「次こそ間違えない」という一念で、終わった結末をもう一度書き直そうとする——後悔をやり直しの原動力に変える物語として、王道でありながら新しい角度を持った一作だと思う。
よくあるゲームの悪役がいて、そして敵として立ちはだかったが撃ち倒されて捕まって──つまりは「終わった」状態で、実際、ゲームもエンディングを迎えて、エンディングの歌が流れて、終わった終わった、はいお疲れな状態。
……からの、その悪役となって「始まる」話です。
これがゲームが始まる前とか進行中なら、まだ目があると思いますが、「終わっている」──こりゃあ無理だと誰もが思うわけですよ。
ところが、このお話は、それを「始まり」としています。
へたすると、このお話の主人公・レベリスは、ゲームの主人公より、ヒーロームーブしています。
これは何というか熱いですよ。というか、実際、熱量が凄いです!
ぜひ、ご一読を。
人気ゲームの嫌われキャラ・レベリスに転生したと思ったら、なんと「魔王討伐後」の処刑待ちからスタート!?
そんな、いきなり詰みゲー状態から始まる異色のファンタジーです。
読者が思わずニヤけてしまう面白さもあり、監視役の聖騎士アーサーとの「ギャップ満載なやり取り」はこの作品の特有良さかと!
キラキラすぎる正義の味方アーサーと、内心で毒を吐きながらも必死に生き残ろうとする主人公。
二人の奇妙な共同生活や、模擬戦を通じて主人公の規格外な才能がバレていく展開は、読んでいて最高に気持ちがいいポイントです。
すべてが終わったはずの世界で、底辺の悪役がどうやって「救世主」に上り詰めるのか?ワクワクが止まらない大逆転劇を期待させます。